HOME > 中日新聞掲載の大学記事 > 全て
2014.11.30
青色発光 サクラエビ 名大、初のカラー撮影
駿河湾の特産品で知られるサクラエビが青く光る姿を、名古屋大大学院生命農学研究科の大場裕一助教らのチームがカラーで撮影することに成功した。サクラエビの発光が観察されることは極めてまれで、カラー画像が公開されるのは初めてとみられる。
大場助教らは、生きたままのサクラエビを購入し、興奮性の神経伝達物質「オクトパミン」を溶かした海水に入れて観察した。数分でエビの腹側がほのかに青く光り始め、出してから10分ほどで消えた。
サクラエビの腹側には、160個ほどの発光器があり、側面や背中側からは光っている姿は見えない。大場助教は「海面近くに上昇したとき、下の敵から影が見えないようにしているのではないか」と推測する。
発光しているのは、ノーベル賞受賞者の下村脩さんが発見した発光タンパク質の中にある物質「セレンテラジン」とみられ、大場助教は今後、発光する仕組みなどの解明を進める。20年ほど前に発光現象をモノクロの高感度カメラで撮影した東京海洋大名誉教授の大森信さんは「光が弱く特殊なカメラでしか写せなかった。カラー画像は見たことがない」と話している。
(2014年11月30日 中日新聞朝刊35面より)
大場助教らは、生きたままのサクラエビを購入し、興奮性の神経伝達物質「オクトパミン」を溶かした海水に入れて観察した。数分でエビの腹側がほのかに青く光り始め、出してから10分ほどで消えた。
サクラエビの腹側には、160個ほどの発光器があり、側面や背中側からは光っている姿は見えない。大場助教は「海面近くに上昇したとき、下の敵から影が見えないようにしているのではないか」と推測する。
発光しているのは、ノーベル賞受賞者の下村脩さんが発見した発光タンパク質の中にある物質「セレンテラジン」とみられ、大場助教は今後、発光する仕組みなどの解明を進める。20年ほど前に発光現象をモノクロの高感度カメラで撮影した東京海洋大名誉教授の大森信さんは「光が弱く特殊なカメラでしか写せなかった。カラー画像は見たことがない」と話している。
(2014年11月30日 中日新聞朝刊35面より)