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中日新聞掲載の大学記事

2014.10.02

住宅侵入盗 中村で急増 前年比1.6倍 「愛大ポリス」ら巡回

 中村区で今年に入り、空き巣などの住宅侵入盗が急増している。8月末時点で昨年1年間の被害件数に達した。防犯活動の強化で夏以降、発生件数は落ち着きつつあるが油断は禁物。中村署は「さまざまな取り組みをしながら地域の防犯力を高めていきたい」と住民の協力を求めている。(多園尚樹)

 9月下旬、愛知大の学生ボランティア団体「愛大防犯ポリス」のメンバーが中村署員とともに、名古屋駅西側の牧野学区を巡回した。犯罪の多発と注意を促すチラシを、戸別訪問したり、通行人に声を掛けたりしながら配った。

 尾張旭市を含む名古屋全域では、住宅侵入盗は前年より2割以上減少している。しかし、中村区では年明けから急速に増え、8月末時点で155件と、前年同期の1.6倍に上った。

 署によると、特に目立つのが単身者用のマンションやアパートを狙った犯行だ。窓ガラスを破って侵入する手口が多く、1階の3、4室が一挙に被害に遭ったアパートもあった。

 単身者向け住宅では、薄暮時に狙われることが多いため、中村署は夕方の巡回を強化。狙われやすい場所で戸別にチラシを配ったり、新聞販売店と協力して折り込みチラシを入れたりして啓発。中村区など行政と犯罪情報を共有し、迅速な防犯活動につなげる「犯罪抑止プロジェクト」も立ち上げた。

 地道な努力の効果が出たのか、8月は今年初めて月単位で前年を下回る被害件数に収まった。ただ、一戸建て住宅を狙った犯行の割合が高まっており、新たな対策も必要だ。

 中村署の神谷良三生活安全課長は「犯罪が多いという認識を住民に持ってもらうことが何より重要」と話す。そうすれば日々の警戒心が高まり、さらには窓の補助錠や防犯カメラといった具体的な防犯対策を施す人も増えてくるからだ。

(2014年10月2日 中日新聞朝刊市民版より)
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