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中日新聞掲載の大学記事

2014.05.29

至学館大 土性沙羅 日本重量級初の快挙へ決意 必ずリオで金

 レスリングの至学館大(愛知県大府市)2年の土性沙羅(どしょう・さら、19)が、2年後のリオ五輪69キロ級での金メダルを狙っている。日本は軽中量級に比べ重量級では苦戦が続くが、土性は初出場した昨年の世界選手権で銅メダルを獲得したホープ。強烈なタックルを引っ提げ、重量級の歴史を変える。

■世界選手権銅メダルで自信に 素早く力強く懐へ

 3月に東京で開かれたワールドカップ国別対抗戦。土性の目の前には、ロンドン五輪72キロ級を制したロシアのボロベワ。終盤までリードを許したが、残り約30秒でこん身のタックルを見舞った。世界女王を抱え上げて倒し、逆転勝ちした。

 「ボロベワとの試合もそうですが、ほかも勝てて3戦全勝。すごく自信になりました」。まだ19歳の土性が、あどけない顔をほころばせた。

■沙保里・父の教室で鍛えたタックル

 吉田沙保里(31)の父で、3月に亡くなった栄勝さんが主宰した一志ジュニア教室(三重)で技を磨いてきた。69キロ級では小柄な159センチ。素早く力強いタックルで、手足の長い外国勢の懐に飛び込む。

 至学館大の栄和人監督(53)は「土性はスピードがあって、タックルはすごいものを持ってるよ」とほめる。吉田からも「タックルは一度飛び込んだら思い切り倒せ」「フェイントを入れて工夫して」とアドバイスを受け、土性は得意技を徹底的に磨いている。

■69キロ級が主戦場に

 4階級だったロンドン五輪まで、日本は最重量の72キロ級の金メダルがない。リオ五輪からは6階級となり、土性は最重量級となる75キロ級の一つ下の69キロ級が主戦場だ。

 「重量級では苦戦してますが、意識せず自分の力を出す。リオでは必ず金メダルを取ります」。ことし最大の目標は9月の世界選手権。まずは6月14日に開幕する全日本選抜で、世界切符を奪いに行く。 (青山直樹)

▼土性沙羅(どしょう・さら) 1994(平成6)年10月17日、三重県松阪市生まれの19歳。159センチ。三重・松阪四小2年の時に一志ジュニア教室でレスリングを始めた。鎌田中を経て至学館高に進み、全国高校女子選手権3連覇。2013年の全日本選抜を制し、同年の世界選手権67キロ級で銅メダル。「ワンピース」など漫画を読むことが趣味で、音楽グループ「BUMP OF CHICKEN」の大ファン。至学館大健康科学部2年。

(2014年5月29日 中日スポーツ9面より)

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