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中日新聞掲載の大学記事

2014.05.21

愛知大学野球 プロ注目149キロ右腕の愛工大エース・北出 もう一度1部へ!!

■愛知大学野球2部 24日に名商大戦

 愛知大学野球2部リーグの優勝をかけ、愛工大と名商大が24日、瑞穂球場で戦う。勝者は1部最下位・中京大との入れ替え戦に進む。愛工大は、プロ注目の149キロ右腕・北出浩喜投手(4年、石川・小松商)が今季4勝とチームをけん引。エースとして勝利にこだわり、2年ぶりの1部復帰に向けて突っ走る。

■勝てば入れ替え戦

 「勝」。愛工大の北出のグラブには、この1文字が刺しゅうされている。「どんなに良い投球をしても、勝たないと意味がない」。2年前の苦い経験から得た教訓を込める。

 思い出すのは1部で戦っていた2年生の春。1年生のころに3勝を挙げ、エースとして真価の問われるシーズンだった。

 防御率は1.86とまずまずながら0勝6敗。入れ替え戦でも敗戦投手となり、2部降格の責任を一身に背負った。

 「チームの結果より、自分の内容を気にしていた」。薄れていた勝利へのこだわり。それは同時にエースとしての自覚のなさの表れでもあった。2部で迎えた2年生の秋はほとんど先発の機会はなく、中継ぎや抑えでの登板。まっさらなマウンドに上がれない状況に腐りかけたこともあった。

 揺るぎない大黒柱になるため、一から自分を見つめ直した。安定したフォームの必要性に気付き、それまでやっていなかったウエートトレーニングを導入。下半身をいじめ抜いた。体重は入学時から10キロ増えて78キロに。昨年は春秋通算6勝を挙げ、「自分がチームを1部に上げる」と言い切れるほどの自信もついた。

 プロへの夢を追うが「今は昇格のことで頭がいっぱい。進路を考えるのは春が終わってから」。瑞穂のマウンドに立つのは降格したシーズン以来2年ぶり。

 あの悔しさを晴らすには格好の舞台。「もう2部でもがくのはこりごり。もう一度、1部で投げたい」。そのために自分がすべきことは、グラブに刻まれている。

 (小西亮)

■プロが熱視線 188センチ右腕・国岡

 愛工大には、ほかにもプロが視線を送る4年生がいる。北出と2枚看板を背負う188センチの長身右腕・国岡と、捕手の松岡主将だ。抑えでの登板が多い国岡は、最速145キロの球速以上に速く感じる直球のキレと、3種のスライダーが武器。北出とはいつも一緒に車で試合に行くほど仲が良く「2人で相手を抑えたい」と意気込む。松岡は「それぞれの良い所を引き出したい」とリードに力を注ぐ考えだが、今季2本塁打をマークした打撃にも期待がかかる。

■名商大 主砲・池尻が迎え撃つ 今季10試合7本塁打19打点

 名商大の主砲・池尻が、愛工大の投手陣を迎え撃つ。180センチ、92キロの巨漢は、今季10試合で7本塁打19打点と圧倒的な存在感を発揮。「たまたま出た」と謙遜するが、冬場の徹底した下半身強化はうそをつかなかった。打倒・北出に向け「球が速いので力まずにバットを振りたい。平常心でいつものプレーをすれば結果はついてくる」と見据えた。

 ◆愛工大からのプロ入り 日本ハム時代にノーヒットノーランを達成した西崎や元中日の神野ら9人を輩出。現役では楽天の長谷部、巨人の星野と荻野、広島の森下の4人(荻野と森下は育成選手)がいる。2年目外野手の森下は大学最後のシーズンを2部リーグでプレーしていた。他大学で2部からプロに進んだケースは、最近では中日の浅尾(日本福祉大出)や山内(名城大出)、田島(東海学園大出)らがいる。

 ▼北出浩喜(きたで・ひろき) 1993(平成5)年1月5日、石川県小松市生まれの21歳。181センチ、78キロ、右投げ右打ち。中海小3年から野球を始め、中海中では軟式野球部に所属。小松商高時代は1年秋からベンチ入り。3年夏の石川大会は4強止まりだったものの、高校3年間で直球の最速は115キロから143キロまで上がった。

(2014年5月21日 中日スポーツ11面より)

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