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中日新聞掲載の大学記事

2014.04.16

椙山女大と東山動植物園共同制作 ゾウ映像 プロ顔負け 入賞

 千種区の椙山女学園大と東山動植物園が共同制作したドキュメンタリー映像「アジアゾウの誕生〜東山動植物園」が、第55回科学技術映像祭の「自然・くらし部門」で特別奨励賞を受賞した。テレビ局や映像制作会社などプロに交じっての快挙に、制作に携わった関係者は「励みになる」と喜んでいる。(梅田歳晴)

 椙山と東山は2008年、映像メディアを軸に連携・協力する覚書を交わしており、その取り組みの1つ。アジアゾウ「アヌラ」の妊娠から昨年1月の出産、子ゾウが「さくら」と命名されるまでを丹念に追った。

 24分間の映像には、「さくら」が胎膜を抜け出して立ち上がる姿や、生まれた直後に検査を受ける様子などを収録。飼育担当者のインタビューなども交え、ゾウ出産の裏側に密着した内容になっている。

 椙山のメディア情報学科教授、栃窪優二さん(59)のゼミの4年生15人が13年度の卒業研究として映像の制作を担当。東山は出産シーンなどを撮影したり、内容を監修したりした。栃窪さんは「命の大切さを伝える内容で、レベルが高い」と昨年12月に映像祭に応募した。

 映像祭は日本科学技術振興財団などが科学技術の普及と向上を図る狙いで開催。科学技術教養、研究開発教育、自然・くらしの3部門がある。

 今回はテレビ局や制作会社など40団体が計41作品を出品。特別奨励賞を含め入賞は11作品で、大半はNHKや民放、映像制作会社の作品。「NHKスペシャル」の番組も含まれている。

 “強豪”ぞろいの中での受賞に、栃窪さんは「大学でも地域と連携すれば、テレビ局などと同じ舞台で競える作品が作れることが分かった」と喜ぶ。

 ゼミ生たちは今春、大学を卒業。ディレクターを担当した丹羽由貴奈さん(22)は「貴重なシーンを撮影でき、納得する編集ができたのは東山の関係者や周囲の協力があってこそ」と謝意を述べた。

 授賞式は今月18日に東京で行われる。映像は椙山と東山が共同開設したウェブサイト「バーチャルひがしやま動物園&植物園」で公開している。

(2014年4月16日 中日新聞朝刊市民版より)

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