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中日新聞掲載の大学記事

2008.11.29

紙の城 夢じゃない 愛工大生、映画制作に奮闘

 愛知県豊田市の山中で、学生が13,000枚の段ボールと格闘していた。同市の愛知工業大が創立50年を記念して制作する映画「築城せよ!」の舞台となる城の建築材料だ。
 映画は現在によみがえった戦国武将の魂が愛工大生らと協力して紙の城を建てるストーリー。古波津陽監督ら60人のスタッフに交じり、学生100人が休日や授業の合間を縫って制作に参加する。

実験重ねて強度に自信

 美術班の学生たちは、業者や近隣から集めた段ボールを高さ20メートルにもなる城の床や壁材に加工。撮影に先立ち強度実験までする凝りようだ。格子状に組んで重ねることで何人もが乗れる堅固な床作りに成功し、その過程は映画の随所に見られる。

 「間近で見るプロの仕事は刺激的。大勢の力が結集して初めて一つの物ができると実感した」と同班の工学部四年高木章広さん(21)。紙の城はいつか崩れても「ものづくり」の志と映画を作り上げた達成感は若者の心にいつまでも残るはずだ。

 映画は来年初夏、各地の映画館で公開予定。 写真・文 佐藤春彦

(2008年11月29日 中日新聞夕刊8面より)
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