▽第９回東海地区・北陸・愛知大学３連盟王座決定戦▽最終日▽４日▽瑞穂▽決勝

　中部学院大（東海地区１位）が中京大（愛知１位）に５−０で勝ち、明治神宮野球大会（１６日から５日間・神宮ほか）初出場を決めた。２００５年に３連盟による代表決定方式となって以降、岐阜の大学が優勝したのは初めて。明治神宮大会の組み合わせはすでに決まっていて、中部学院大は初戦で関西５大学連盟第２代表と対戦する。

　大きな声を上げながら中部学院大ナインが一斉にベンチを飛び出した。マウンド上の２年生左腕・斎藤らをあっという間に包み込み、腕を突き上げた。春の全日本大学選手権に続き、２季連続で神宮行きを決めた。秋の神宮大会は初出場だ。「気持ちいい。神宮でまず１つ勝つことに全力を尽くす」。胴上げで宙を舞った原克隆監督（４４）が興奮気味に話した。

　春の神宮で悔し涙を流した２人が投打のヒーローとなった。まずは先発の斎藤だ。愛知大学リーグを１０勝１敗で制した中京大を４安打完封。「４年生とまだ野球がしたい。足を引っ張らないように心掛けた」。全日本選手権の初戦・福岡大戦では主戦・東谷の後を受けて救援登板。２点リードの８回、阪神にドラフト４位指名された梅野に同点弾を浴びた。その後は左肩痛に悩まされたものの、動画サイトで被弾シーンを見ては悔しさを思い出して復活した。

　打で輝いたのが決勝点となる先制二塁打を２回に放った武田だった。全日本選手権は延長１０回に、二塁手の武田の悪送球でサヨナラ負け。「つらかった。でも自分には努力する才能しかない」と毎日１時間の自主練習を欠かさずに続けた。この日は「勝利に貢献できた」と胸を張った。

　「武田は昨日も大学に帰って練習していた。全員が春の悔しさを持っている」と原監督。岐阜県関市にある中部学院大が、準決勝の中部大、決勝の中京大と、中部地区をリードしてきた愛知勢を完封で連破。悲願の全国大会初勝利へ、これ以上はない勢いと自信を胸に神宮へ向かう。　（麻生和男）

■好機なく完敗中京大

　６年ぶりの明治神宮大会出場を狙った中京大は好機をつくれず、零封負け。最後は今秋リーグＭＶＰで、３日の日大国際関係学部戦で完投した清水をマウンドへ。０−１の８回から登板し、４番・杉島に３点本塁打を浴びて力尽きた。左腕エースは「流れを変えたかったのに。申し訳ない」と肩を落とした。

▽決勝
中部学院大（東海地区１位）　０１０００００３１―５
中京大（愛知１位）　０００００００００―０
本塁打　杉島（院）

（2013年11月5日　中日スポーツ8面より）