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2013.08.09
昼は強く、夜は弱く 青制御で快眠 新LED照明 名大など開発
名古屋大と愛知県立大などの研究グループは8日、光の波長を調節することで眠りやすくする発光ダイオード(LED)の照明システムを開発したと発表した。赤、緑、青を組み合わせてさまざまな色を出すLEDのうち、眠気を促すメラトニンというホルモンの分泌を抑える青の波長を制御する仕組み。照明の色や明るさは変わらないままで、睡眠障害などの改善に役立つという。
研究には名大エコトピア科学研究所や愛知県豊川市の照明器具メーカーも参加、実用化を目指す。
人の体は通常、太陽の光を浴びる朝にメラトニンの分泌が減少。代わりに体を活性化させるセロトニンが増える。生活のリズムが乱れると、昼間にメラトニンが出続けてセロトニンが出なかったり、夜になってもメラトニンが出なかったりして、うつ症状や睡眠障害の原因になる。
研究グループは、青の波長がメラトニンの分泌を抑える作用に着目。コンピューターで波長を調節できるLEDの照明器具を試作した。昼間は青の波長を強めてセロトニンの分泌を助長し、夕方からは徐々に弱めてメラトニンの分泌を促すことで、眠りやすくするように工夫した。
愛知県と三重県の高齢者施設で、個室やロビーにこの照明を設置。入所者の睡眠状態を調べたところ、計19人のうち15人が夜中や早朝に目覚めることがなくなったという。
愛知県立大看護学部の岡本和士教授は「睡眠障害だけでなく、認知症にも効果があった。さらに研究を重ね、実用化にこぎ着けたい」と話している。
(2013年8月9日 中日新聞朝刊29面より)
研究には名大エコトピア科学研究所や愛知県豊川市の照明器具メーカーも参加、実用化を目指す。
人の体は通常、太陽の光を浴びる朝にメラトニンの分泌が減少。代わりに体を活性化させるセロトニンが増える。生活のリズムが乱れると、昼間にメラトニンが出続けてセロトニンが出なかったり、夜になってもメラトニンが出なかったりして、うつ症状や睡眠障害の原因になる。
研究グループは、青の波長がメラトニンの分泌を抑える作用に着目。コンピューターで波長を調節できるLEDの照明器具を試作した。昼間は青の波長を強めてセロトニンの分泌を助長し、夕方からは徐々に弱めてメラトニンの分泌を促すことで、眠りやすくするように工夫した。
愛知県と三重県の高齢者施設で、個室やロビーにこの照明を設置。入所者の睡眠状態を調べたところ、計19人のうち15人が夜中や早朝に目覚めることがなくなったという。
愛知県立大看護学部の岡本和士教授は「睡眠障害だけでなく、認知症にも効果があった。さらに研究を重ね、実用化にこぎ着けたい」と話している。
(2013年8月9日 中日新聞朝刊29面より)