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2013.07.24
レース車 造って走らせ10年目 名大生 ピットが教室 職人魂80社が支援
大学生がレーシングカーを自主製作し、走行性能などを競う「第11回全日本学生フォーミュラ大会」に、名古屋大のチーム「FEM」が10年連続で参戦する。悲願の初優勝を目指す約50人の部員たちを、中部地方の有力メーカーもそろって支援している。
FEMは2006年の2位がこれまでの最高。昨年も82チーム中、4位にとどまった。9月3〜7日に静岡県の小笠山総合運動公園で開かれる今大会に向け、名古屋市千種区の東山キャンパスにある研究棟で車両開発に取り組んでいる。
「今年のテーマは『速さの徹底追求』です」と言うのは、リーダーの鵜生知輝(うのうともき)さん(22)=名大大学院工学研究科1年。
開発中の1人乗りのレーシングカーは、まだ骨組みがむき出し。加速を良くするために前部に昨年初めて採用したフロントウイングをいかに軽量化するかが、目下の課題だ。
地元企業の期待も一段と高まっている。自動変速機の世界最大手アイシン・エィ・ダブリュ(愛知県安城市)などが資金を援助。自動車部品大手デンソー(同県刈谷市)や電動工具大手マキタ(安城市)がそれぞれ部品や工具を無償で提供するなど、80社が支援を名乗り出た。
大会は自動車メーカーの技術者らでつくる社団法人自動車技術会が主催。学生の理系離れを防ぎ、自動車産業で活躍する人材を育てるのが狙いだ。
大会広報を担当するデンソー技術開発推進部の片山政彦さん(61)は「大会は学生にとって実践的な学びの場。本当に一生懸命に取り組んでおり、自動車業界の人間としてうれしくなる」と話す。(坂田奈央)
【全日本学生フォーミュラ大会】 米国の自動車生産台数が日本に抜かれた翌年の1981年、危機感を強めた米自動車メーカーが「若い技術者の育成が必要」として始めた米国の学生フォーミュラ大会を手本に、日本では2003年に始まった。エンジンの大きさや車幅、排気音量など一定の規格内でレーシングカーを造り、設計や製作技術、走行性能などを競う。参加した学生の多くが自動車関連企業に就職している。
(2013年7月24日 中日新聞朝刊30面より)
FEMは2006年の2位がこれまでの最高。昨年も82チーム中、4位にとどまった。9月3〜7日に静岡県の小笠山総合運動公園で開かれる今大会に向け、名古屋市千種区の東山キャンパスにある研究棟で車両開発に取り組んでいる。
「今年のテーマは『速さの徹底追求』です」と言うのは、リーダーの鵜生知輝(うのうともき)さん(22)=名大大学院工学研究科1年。
開発中の1人乗りのレーシングカーは、まだ骨組みがむき出し。加速を良くするために前部に昨年初めて採用したフロントウイングをいかに軽量化するかが、目下の課題だ。
地元企業の期待も一段と高まっている。自動変速機の世界最大手アイシン・エィ・ダブリュ(愛知県安城市)などが資金を援助。自動車部品大手デンソー(同県刈谷市)や電動工具大手マキタ(安城市)がそれぞれ部品や工具を無償で提供するなど、80社が支援を名乗り出た。
大会は自動車メーカーの技術者らでつくる社団法人自動車技術会が主催。学生の理系離れを防ぎ、自動車産業で活躍する人材を育てるのが狙いだ。
大会広報を担当するデンソー技術開発推進部の片山政彦さん(61)は「大会は学生にとって実践的な学びの場。本当に一生懸命に取り組んでおり、自動車業界の人間としてうれしくなる」と話す。(坂田奈央)
【全日本学生フォーミュラ大会】 米国の自動車生産台数が日本に抜かれた翌年の1981年、危機感を強めた米自動車メーカーが「若い技術者の育成が必要」として始めた米国の学生フォーミュラ大会を手本に、日本では2003年に始まった。エンジンの大きさや車幅、排気音量など一定の規格内でレーシングカーを造り、設計や製作技術、走行性能などを競う。参加した学生の多くが自動車関連企業に就職している。
(2013年7月24日 中日新聞朝刊30面より)