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2013.03.27
日本語教室から大学合格 豊田・保見団地でNPO法人運営
■日系ブラジル人 瀬戸の中豊留さん 名古屋外大へ 「世界飛び回りたい」
豊田市の保見団地でNPO法人「トルシーダ」が開く日本語教室で学んだ日系ブラジル人の中豊留(なかとよどめ)ハルミさん(19)=瀬戸市=が4月、名古屋外国語大現代国際学部に入学する。「将来は観光関係の仕事に就いて世界を飛び回りたい」と意欲に燃えている。(橋詰美幸)
中豊留さんは両親、兄と一緒に4歳で来日し、小学6年まで瀬戸市で過ごした。2年間、ブラジルに戻り、再び来日。豊田市内のブラジル人学校の高等部に入った。卒業後に日本語の勉強のため、トルシーダに通い始めた。
「いろんな国の文化に触れられる仕事がしたい」と漠然と考えていたものの、具体的な進路は決まっていなかった。職員の勧めもあり、大学を目指すことにした。
試験は英語と国語の2科目。英語は毎週、教室に通っていて得意だった。日本語は「会話はできても、読解となると、分からない漢字や表現があって難しかった」という。トルシーダが外国籍の子どもののために開く昼間の日本語教室のほか、夜の社会人向けの教室にも参加した。読解力を磨くために毎日、新聞記事の要約を続けた。
トルシーダに通う中国人の宮崎莉奈さん(19)と支え合った。宮崎さんは愛知学院大の留学生別科に進んだ。修業期間は1年。大学進学を目指し、日本語や日本文化について学ぶ。
中豊留さんは「トルシーダに通う前は、大学進学は選択肢にすらなかった。職員がいろいろアドバイスをくれたおかげ」と感謝。宮崎さんも「職員が根気強く接してくれて信頼できた。日本の建築や着物が好きで、日本経済についても勉強したい」と意気込む。
トルシーダの伊東浄江(きよえ)代表によると、ブラジル人学校の卒業生が日本の大学に合格するのは珍しい。「2人とも最初は目標が定まっていなかったが、具体的に決まると一直線に努力していた。子どもが自分の進路について、じっくり考えられる環境づくりを支援していきたい」と話した。
(2013年3月27日 中日新聞朝刊豊田版より)
豊田市の保見団地でNPO法人「トルシーダ」が開く日本語教室で学んだ日系ブラジル人の中豊留(なかとよどめ)ハルミさん(19)=瀬戸市=が4月、名古屋外国語大現代国際学部に入学する。「将来は観光関係の仕事に就いて世界を飛び回りたい」と意欲に燃えている。(橋詰美幸)
中豊留さんは両親、兄と一緒に4歳で来日し、小学6年まで瀬戸市で過ごした。2年間、ブラジルに戻り、再び来日。豊田市内のブラジル人学校の高等部に入った。卒業後に日本語の勉強のため、トルシーダに通い始めた。
「いろんな国の文化に触れられる仕事がしたい」と漠然と考えていたものの、具体的な進路は決まっていなかった。職員の勧めもあり、大学を目指すことにした。
試験は英語と国語の2科目。英語は毎週、教室に通っていて得意だった。日本語は「会話はできても、読解となると、分からない漢字や表現があって難しかった」という。トルシーダが外国籍の子どもののために開く昼間の日本語教室のほか、夜の社会人向けの教室にも参加した。読解力を磨くために毎日、新聞記事の要約を続けた。
トルシーダに通う中国人の宮崎莉奈さん(19)と支え合った。宮崎さんは愛知学院大の留学生別科に進んだ。修業期間は1年。大学進学を目指し、日本語や日本文化について学ぶ。
中豊留さんは「トルシーダに通う前は、大学進学は選択肢にすらなかった。職員がいろいろアドバイスをくれたおかげ」と感謝。宮崎さんも「職員が根気強く接してくれて信頼できた。日本の建築や着物が好きで、日本経済についても勉強したい」と意気込む。
トルシーダの伊東浄江(きよえ)代表によると、ブラジル人学校の卒業生が日本の大学に合格するのは珍しい。「2人とも最初は目標が定まっていなかったが、具体的に決まると一直線に努力していた。子どもが自分の進路について、じっくり考えられる環境づくりを支援していきたい」と話した。
(2013年3月27日 中日新聞朝刊豊田版より)