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中日新聞掲載の大学記事

2013.03.09

動脈硬化 息で診断 体内の一酸化窒素測定 名工大グループ開発

 吐く息の成分を計測するだけで動脈硬化の度合いを診断する方法を、名古屋工業大の増田秀樹教授や小沢智宏准教授らのグループが開発した。英王立科学会誌に発表した。がんや心臓病、脳卒中の多くは動脈硬化が引き金になるとされており、早期発見に役立つ可能性がある。

 増田教授は「呼気や皮膚呼吸を使って検査できるので、患者の負担が少ない。家庭でも検査できるようになるかもしれない」と説明している。

 グループは、血管を柔らかくする効果がある一酸化窒素に着目。体内の一酸化窒素の濃度が低いと動脈硬化が進む傾向が強いことから、呼気の測定を発案し、一酸化窒素にだけ反応する新たな分子をつくりあげた。

 一酸化窒素に反応する分子はこれまでにもあったが、二酸化窒素や一酸化炭素、酸素などにも同時に反応してしまうため、一酸化窒素濃度を測定しにくかった。

 グループは、新たな分子がどの程度反応するかで、一酸化窒素濃度を測定することを考えている。増田教授は「この新たな分子を活用してマスクや湿布を作り、反応の仕方を計測することで一酸化窒素の濃度測定に役立てたい」と話している。

(2013年3月9日 中日新聞朝刊37面より)
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