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中日新聞掲載の大学記事

2013.02.03

歌舞伎演じて学んだ 南山大生が舞台「稲瀬川勢揃いの場」 役柄、長唄文化に迫る

 昭和区の南山大で2日、人文学部の安田文吉教授(67)のゼミ生による恒例の歌舞伎上演があった。男女50人の学生が役者や三味線、長唄などを担い、本格的な舞台を作り上げた。(木下大資)

 文献研究や鑑賞にとどまらず、演じてみることで歌舞伎の実態や江戸時代の生活文化に迫る狙い。昨年11月から専門家の指導を受けて練習を重ねてきた。題材は江戸末期の作家・河竹黙阿弥による「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」。5人の盗賊が追っ手に追い詰められる人気の場面「稲瀬川勢揃(ぞろ)いの場」を演じた。

 卒業を控えた4年生が5人男を担当し、各自の役柄を研究してせりふ回しや顔の作り方を工夫してきた。長いせりふをよどみなく聞かせて「見え」を切ると会場は拍手に包まれ、おひねりが飛んだ。

 5人男のうち忠信利平を演じた鵜飼里佳さん(22)は「義理人情に厚くどっしり構えた感じを出したかった」。南郷力丸役の牧野由佳さん(22)は「漁師育ちらしい気性の荒さを表現するのが難しかった」と、それぞれのこだわりを振り返っていた。

(2013年2月3日 中日新聞朝刊市民総合版より)

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