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中日新聞掲載の大学記事

2013.01.10

藤田保衛大に最新手術ロボ 2人の同時執刀可能に

■国内初、15日に胃がん手術

 三次元の内視鏡画像を見ながら医師が遠隔操作する手術支援ロボット「ダビンチ」で、2つの操縦席がある最新機種を、藤田保健衛生大病院(愛知県豊明市)が13日、国内で初めて導入する。15日には早速胃がん患者の手術を予定。高度な技術が必要なロボット手術で、安全で正確な医師の指導や訓練も期待される。

 ダビンチは、直径8ミリの電気メスや鉗子(かんし)などの手術器具を取り付けた3本の腕を、医師が操縦席のモニターの内視鏡画像をのぞいて動かす。従来機は操縦席が1つしかなく、他の手術スタッフは外部に映し出した内視鏡の二次元画像を見ながら、操縦席の医師に指示を出していた。

 操縦席が2つになることで、操作に支障が生じた時には、同じ三次元画像を見ているもう1人の医師が、スイッチを切り替えて手術を交代できる。3本の腕を2人で役割分担し、チーム医療で得意分野を生かした手術もできる。

 同病院では、2009年からダビンチを使った手術をスタート。昨年4月には、国内で初めてダビンチの基本操作と手術見学ができる訓練施設を開設し、全国から医師らが訪れている。

 開腹せず患者に負担の少ない手術が可能で、胃がんや食道がんなどの手術を1台で年間約220件実施。最新機種が加わって2台となり、年間300件の手術を見込む。

 ダビンチを使った胃がん手術の国内第一人者である同大の宇山一朗教授(消化器外科)は「手術の技術を安全に正確に伝承していくことが、患者のためになる」と、経験の浅い医師への指導が容易になる意義を強調した。

■内視鏡手術支援ロボット「ダビンチ」

 米国のベンチャー企業インテュイティブ・サージカル社が開発し、2009年ごろから医療現場で使用されている。全国の医療機関に76台(9日現在)が導入されている。胃がんや肺がん、大腸がんなどの手術が自己負担で行われており、昨年4月から前立腺がんのみ保険適用となった。

(2013年1月10日 中日新聞朝刊26面より)

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