レスリングの全日本選手権最終日は２３日、東京・代々木第二体育館で行われ、五輪３連覇の吉田沙保里（ＡＬＳＯＫ）が欠場した女子５５キロ級は１９歳の村田夏南子（日大）が決勝で浜田千穂（日体大）に２−１で勝ち、初優勝を果たした。６７キロ級は土性沙羅（どしょう・さら、愛知・至学館高）が２連覇し、５１キロ級は菅原ひかり（至学館大）が初制覇した。

　男子はフリースタイル７４キロ級でロンドン五輪代表の高谷惣亮（ＡＬＳＯＫ）が２連覇し、６６キロ級で石田智嗣（警視庁）が初優勝。グレコローマンスタイル６６キロ級で清水博之（自衛隊）が３年ぶり２度目、７４キロ級で井上智裕（兵庫・育英高教）が初の日本一に輝いた。最優秀選手に贈られる天皇杯は高谷が獲得した。

■菅原　悲願のＶに涙

　３年連続で進んだ女子５１キロ級決勝を初めて制した菅原は「ずっと勝ちたかった大会」と歓喜の涙を流した。

　吉田沙保里に憧れ、故郷秋田の小学校を卒業すると津市にある吉田の実家に移り、吉田の父・栄勝さんからレスリングを学んだ。

　その後、愛知・至学館高から吉田の母校の至学館大に進学。「いろいろな大会に出ていきたい」と国際舞台での活躍を誓った。

決勝記録

【男子】

▽フリースタイル６６キロ級
石田（警視庁）　２−０　井上（日体大）

▽同７４キロ級
高谷（ＡＬＳＯＫ）　２−０　北村（早大）

▽グレコローマンスタイル６６キロ級
清水（自衛隊）　２−０　音泉（日体大）

▽同７４キロ級
井上（兵庫・育英高教）　２−０　江藤（自衛隊）

【女子】

▽５１キロ級
菅原（至学館大）　２−１　宮原（東京・安部学院高）

▽５５キロ級
村田（日大）　２−１　浜田（日体大）

▽６７キロ級
土性（愛知・至学館高）　２−０　飯島（日大）

（2012年12月24日　中日新聞朝刊16面より）