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中日新聞掲載の大学記事

2012.06.12

アトピー慢性化 解明 岐阜薬科大などチーム タンパク原因 新薬に道

 アトピー性皮膚炎を慢性化させる原因となるタンパク質を、佐賀大や九州大、岐阜薬科大などのチームがマウスの実験で特定したと、11日付の米医学誌で発表した。新たな治療薬開発につながる可能性があるという。

 チームによると、アトピー性皮膚炎は1度発症すると何年も症状が続くことが多いが、慢性化の仕組みはよく分かっていなかった。

 チームは、アレルギーの元になる物質(抗原)が体内に入ると、「ペリオスチン」というタンパク質が大量に作られることに着目。ペリオスチンは皮膚の組織にくっついて炎症を引き起こす別のタンパク質を作り出すことで、抗原がなくても炎症を継続させていた。

 チームはアトピー性皮膚炎の患者の皮膚で、ペリオスチンが強く働いていることを確認。遺伝子操作でペリオスチンを働かないようにしたマウスにハウスダストの成分となるダニの抽出物を塗っても、アトピー性皮膚炎に似た症状は現れなかった。

 佐賀大の出原賢治教授(生化学)は「ペリオスチンの作用を抑えることができれば、副作用の少ないアトピー性皮膚炎の新薬を開発できるかもしれない」と話した。

(2012年6月12日 中日新聞朝刊33面より)

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