名商大は主将の赤野敬太二塁手（４年・四日市四郷）のサヨナラ打で愛院大に５−４で逆転勝ち。対戦成績は１勝１敗のタイとなり、２１日に愛工大グラウンドで行われる３回戦に勝負を持ち越した。名城大は愛大に６−５で競り勝ち、２連勝で勝ち点３に伸ばして、全日程を終えた。試合を残している勝ち点２の名商大と中部大は勝ち点で名城大に並んでも勝率で上回れないため、名城大の２位が確定した。

■愛院大とタイに

　愛院大の右翼・浜内が打球を追うことなく、あきらめた。打った名商大の２番・赤野が気持ちよさそうに一塁を大きく回る。９回は１点差に迫り、なお１死満塁。愛院大の６番手・永岡の直球を狙った主将の一打は、右翼線に落ちるサヨナラ２点二塁打。「練習通りのつもりで打った。まさか、あんな打撃ができるとは…」。ヒーローが自画自賛した。

　３点差で迎えた最終回。敗色濃厚の試合をひっくり返した。負ければ２連敗で、全カードで勝ち点を挙げる愛院大の完全優勝が決まるところだった。

　赤野は１９日の１回戦で１回に送りバントを失敗。直後に相手に先制され「自分のせいで負けた」と責任を背負い込んでいた。

　「悔しい思いをした赤野がよく打った。執念だね」と中村順司監督（６５）。赤野も「愛知大学リーグは愛院大、というイメージができている。完全優勝だけは阻止したい」とまくし立てた。２１日の３回戦でも意地を見せるつもりだ。　（麻生和男）

■逆転勝利で２位　名城大

　名城大は７回に一挙５点を奪って逆転勝ちし、２位を決めた。最優秀防御率を狙った先発・下平は自責点３で７回途中で降板。タイトル獲得は厳しくなったものの、粘投で打線の反撃を呼び込んだ。松永監督は「失点は残念だったけど、試合をつくってくれた」と下平を高評価。下平も「チームが勝てて良かった。秋季リーグ戦に向けて収穫があった」と手応えをつかんだ様子だった。

▽２回戦（名城大２勝）
愛大　０００１００２０２―５
名城大　０００００１５０ｘ―６

▽２回戦（１勝１敗）
愛院大　１３０００００００―４
名商大　１０００００００４ｘ―５

（2012年5月21日　中日スポーツ12面より）