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2011.11.02
大学野球中部王座決定戦 愛知勢対決制した!愛院大4年連続16度目神宮切符
■今年も主将が決めた!古屋決勝打
愛知勢対決となった決定戦は、愛院大(愛知1位)が愛工大(愛知2位)に2−0で勝ち、4年連続16度目の明治神宮野球大会(23日から5日間・神宮)出場を決めた。愛院大は7回に主将の3番・古屋慎太郎中堅手(4年・京都外大西)が決勝の先制打を放ち、愛知大学野球秋季リーグ戦に続いて、今大会でも最優秀選手賞を受賞した。
右手の人さし指を突き上げた浦野を、愛院大ナインが包み込んだ。リリーフ登板したエースが愛工大の最後の打者を併殺に仕留めて、4年連続の明治神宮大会出場が決定。リーグ優勝を決めても全く歓喜することがなかったナインが、全てを解き放ったかのようにガッツポーズに胴上げ、さらにはバック転する選手まで現れた。
「全然喜ばないと周囲に言われたけど、あれが本当の姿。あれがしたかったんです」。今秋一番の目標を現実にした古屋主将が声を上ずらせた。今秋のリーグMVPの古屋は7回2死二塁の好機で決勝点となる先制の中前打。昨年の決定戦も秋季リーグ戦のMVPだった主将・永嶋の決勝打で決着をつけただけに、古屋は「意識していた。僕、持ってますね」と笑顔で話した。
今春は開幕9連勝でリーグ優勝。勢いに乗って全日本大学野球選手権でも8強に進んだ。だが、今秋は苦戦の連続。リーグ戦の5カード中、3カードで初戦を落とした。この心の隙が短期のトーナメント戦では命取りになると考え、初戦の前日は渡辺コーチの指揮下で雨の中でもあえてグラウンドで練習。意図的にピリピリとした雰囲気をつくり出して、集中力を高めた。
「あの練習でチームが引き締まった」と古屋。伊藤孝真総監督(53)も「経験の差、メンタルの差でしょう」と勝因を挙げた。神宮で目指すは春の8強以上。今大会はリリーフ役に回った浦野は「やることはやってきた。勝つだけです」と言葉に力を込める。春に勝つ喜びを知り、秋に勝つ難しさを知った愛院大ナインが1年を締めくくる神宮に挑む。 (麻生和男)
■近年の成長手応え 愛工大
12年ぶりの明治神宮大会出場を狙った愛工大は好機で1本が出なかった。奥田監督は課題を口にしつつも、「愛知勢同士で内容のある試合ができた。勝つと負けるとでは天地ほどの差があるが、この経験は大きい」と前向きに話した。近年のこの時期は入れ替え戦に回っていたが、今秋は全国に手が届くところまで浮上。「これを本物にしたい」と奥田監督はさらなる成長を誓った。
■“弟”の応援届かず
秋季高校野球東海大会で優勝し、明治神宮大会高校の部出場を決めている愛工大名電高の野球部員と倉野監督が瑞穂球場を訪れ、愛工大を応援した。この日は午前中で授業を終えて、バスで球場へ。愛工大OBでもある倉野監督はスタンドで自ら応援団をリードして声援を送ったが、“兄弟”そろっての神宮行きはかなわなかった。倉野監督は「一緒に出られるかと思ったけど、常連校(愛院大)の壁は厚いですね」と残念そうに話した。
▽決定戦
愛工大(愛知2位) 000000000―0
愛院大(愛知1位) 00000011x―2
本塁打 大迫(院)
(2011年11月2日 中日スポーツ13面より)
愛知勢対決となった決定戦は、愛院大(愛知1位)が愛工大(愛知2位)に2−0で勝ち、4年連続16度目の明治神宮野球大会(23日から5日間・神宮)出場を決めた。愛院大は7回に主将の3番・古屋慎太郎中堅手(4年・京都外大西)が決勝の先制打を放ち、愛知大学野球秋季リーグ戦に続いて、今大会でも最優秀選手賞を受賞した。
右手の人さし指を突き上げた浦野を、愛院大ナインが包み込んだ。リリーフ登板したエースが愛工大の最後の打者を併殺に仕留めて、4年連続の明治神宮大会出場が決定。リーグ優勝を決めても全く歓喜することがなかったナインが、全てを解き放ったかのようにガッツポーズに胴上げ、さらにはバック転する選手まで現れた。
「全然喜ばないと周囲に言われたけど、あれが本当の姿。あれがしたかったんです」。今秋一番の目標を現実にした古屋主将が声を上ずらせた。今秋のリーグMVPの古屋は7回2死二塁の好機で決勝点となる先制の中前打。昨年の決定戦も秋季リーグ戦のMVPだった主将・永嶋の決勝打で決着をつけただけに、古屋は「意識していた。僕、持ってますね」と笑顔で話した。
今春は開幕9連勝でリーグ優勝。勢いに乗って全日本大学野球選手権でも8強に進んだ。だが、今秋は苦戦の連続。リーグ戦の5カード中、3カードで初戦を落とした。この心の隙が短期のトーナメント戦では命取りになると考え、初戦の前日は渡辺コーチの指揮下で雨の中でもあえてグラウンドで練習。意図的にピリピリとした雰囲気をつくり出して、集中力を高めた。
「あの練習でチームが引き締まった」と古屋。伊藤孝真総監督(53)も「経験の差、メンタルの差でしょう」と勝因を挙げた。神宮で目指すは春の8強以上。今大会はリリーフ役に回った浦野は「やることはやってきた。勝つだけです」と言葉に力を込める。春に勝つ喜びを知り、秋に勝つ難しさを知った愛院大ナインが1年を締めくくる神宮に挑む。 (麻生和男)
■近年の成長手応え 愛工大
12年ぶりの明治神宮大会出場を狙った愛工大は好機で1本が出なかった。奥田監督は課題を口にしつつも、「愛知勢同士で内容のある試合ができた。勝つと負けるとでは天地ほどの差があるが、この経験は大きい」と前向きに話した。近年のこの時期は入れ替え戦に回っていたが、今秋は全国に手が届くところまで浮上。「これを本物にしたい」と奥田監督はさらなる成長を誓った。
■“弟”の応援届かず
秋季高校野球東海大会で優勝し、明治神宮大会高校の部出場を決めている愛工大名電高の野球部員と倉野監督が瑞穂球場を訪れ、愛工大を応援した。この日は午前中で授業を終えて、バスで球場へ。愛工大OBでもある倉野監督はスタンドで自ら応援団をリードして声援を送ったが、“兄弟”そろっての神宮行きはかなわなかった。倉野監督は「一緒に出られるかと思ったけど、常連校(愛院大)の壁は厚いですね」と残念そうに話した。
▽決定戦
愛工大(愛知2位) 000000000―0
愛院大(愛知1位) 00000011x―2
本塁打 大迫(院)
(2011年11月2日 中日スポーツ13面より)