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中日新聞掲載の大学記事

2011.09.28

細胞の伸び 仕組み解明 名大グループ

■タンパク質が酵素に影響 神経再生に光

 細胞が形を変化させる仕組みの一端を、名古屋大大学院理学研究科の高木新准教授らのグループが線虫を使った実験で解明した。英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に27日、発表した。

 細胞に結合するタンパク質「セマフォリン」に着目。セマフォリンが細胞内の酵素「TOR」に働きかけて、細胞の伸長を促進させたり、阻害させたりすることを立証した。

 実験では、セマフォリンを作れないようにした線虫を用意し、表皮細胞内のTORの量を分析。細胞を伸ばす性質のTORが通常の線虫の2.5倍に増えた。

 一方、伸ばすのを止める性質を持つ別タイプのTORが半分に減り、セマフォリンの作用でTORの性質が変わることを確かめた。

 セマフォリンは神経細胞が伸びるのを妨げることが知られている。高木准教授は「セマフォリンは脊椎損傷で神経の再生を妨げている一因。働きがさらに解明されれば、神経の再生につながる可能性がある」と話している。

(2011年9月28日 中日新聞朝刊3面より)
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