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2011.09.04
日本学生水泳 中京大 男子400メートルメドレーリレー連覇
■学校対抗43年ぶり 男女同時V見えた
男子400メートルメドレーリレーは、中京(白井裕樹、冨田尚弥、前田浩史、伊藤健太)が3分35秒62で連覇した。男子の学校対抗得点で中京は、トップ中央と17点差の262点で2位。2年連続の総合優勝を射程圏に入れた。初の総合優勝を目指す女子の中京は、200メートル自由形の小野口由夏(4年)が2分0秒81で優勝するなど着実に加点。231.5点と2位日体大に51.5点の大差をつけ、初日からのトップを守った。
■中央と17点差2位 白井「勢い付けられた」
チームの総合力を示すメドレーリレーで勝利し、男子の中京はまた一歩、総合連覇に近づいた。「最高の仲間と組めて、最高のレースになった。一番いい形で(第2日を)終われた」。第3泳者でバタフライの前田は、満足そうにレースを振り返った。
初日は、ともに連覇を狙った100メートル平泳ぎの冨田が4位、50メートル自由形の伊藤が2位に敗れたほか、400メートルリレーも昨年より順位を1つ落とした4位だった。学校対抗得点は149点。ライバルの中央に17点差の2位と、スタートダッシュは切れなかった。第2日も100メートルバタフライで前田が3位、杉岡が4位、原が5位に入って点数を重ねたが、得点が個人種目の2倍になるリレーで中央の後塵(こうじん)を拝すると厳しくなる。「王者のプライドを捨ててチャレンジャーの気持ちで臨んだ」(白井)。4人は、後がない気持ちでレースに向かった。
白井は入江(近大)にこそ後れを取ったものの2番手で平泳ぎの冨田にタッチ。冨田、前田がじわじわと差を詰め、トップ近大と0秒02差で最終泳者の伊藤につないだ。快速伊藤はあっさり近大をとらえ、堂々のトップゴール。エース格の冨田は「中京はリレーになると速い。そこがチーム力」と胸を張った。中京がメドレーリレーで連覇したのは、ロサンゼルス、ソウル両五輪代表の高橋繁浩監督が現役だった1982〜83年以来2度目。偉大な先輩に肩を並べた4人の表情は誇らしげだった。
最終日の第3日には、冨田の連覇が懸かる200メートル平泳ぎなど期待できる種目が残る。「連覇に向けて勢いが付けられたと思う」と白井。昨年3位だった女子も好調。男女同時優勝となれば、68年の日大以来43年ぶりの快挙だ。 (斎藤正和)
■小野口 病吹き飛ばす力泳 中京初の女王へ快進撃
初の女王の座へ。女子の中京は着々と足場を固めた。初日は400メートルリレーこそ2位で連覇を逃したが、50メートル自由形で雨宮(2年)が日本代表の松本(日体大)を破る金星。学校対抗得点でトップに立った。
第2日のヒロインは小野口だった。小野口は昨春ウイルス性の病気にかかり、約半年間練習ができない状態に。インカレも泣く泣く欠場したが、小野口の不在は大きく、中京は総合3位に敗れた。「今年はチームに迷惑をかけられない。行くしかない」。小野口は序盤から積極的に泳ぎ、終始先頭を守って優勝した。「中京のためだけに泳いだ。チームのために優勝できて本当にうれしい」。笑顔が光った。
2位日体大と差が開いたが、選手たちは守りに入るつもりはない。「初日の200メートル背泳ぎで予選落ちし、足を引っ張ってしまった。(最終日の)100メートルは最後の意地を見せたい」と主将の吾郷。ラストまで攻め続けて、男子とともに喜びを分かち合う。 (斎藤正和)
【男子】
▽400メートルメドレーリレー
(1)中京大(白井、冨田、前田、伊藤)3分35秒62(2)近大3分36秒49(3)中大3分37秒79
【女子】
▽200メートル自由形
(1)小野口由夏(中京大)2分0秒81(2)橋口(鹿屋体大)2分1秒10(3)吉田(慶大)2分1秒74
(2011年9月4日 中日スポーツ9面より)
男子400メートルメドレーリレーは、中京(白井裕樹、冨田尚弥、前田浩史、伊藤健太)が3分35秒62で連覇した。男子の学校対抗得点で中京は、トップ中央と17点差の262点で2位。2年連続の総合優勝を射程圏に入れた。初の総合優勝を目指す女子の中京は、200メートル自由形の小野口由夏(4年)が2分0秒81で優勝するなど着実に加点。231.5点と2位日体大に51.5点の大差をつけ、初日からのトップを守った。
■中央と17点差2位 白井「勢い付けられた」
チームの総合力を示すメドレーリレーで勝利し、男子の中京はまた一歩、総合連覇に近づいた。「最高の仲間と組めて、最高のレースになった。一番いい形で(第2日を)終われた」。第3泳者でバタフライの前田は、満足そうにレースを振り返った。
初日は、ともに連覇を狙った100メートル平泳ぎの冨田が4位、50メートル自由形の伊藤が2位に敗れたほか、400メートルリレーも昨年より順位を1つ落とした4位だった。学校対抗得点は149点。ライバルの中央に17点差の2位と、スタートダッシュは切れなかった。第2日も100メートルバタフライで前田が3位、杉岡が4位、原が5位に入って点数を重ねたが、得点が個人種目の2倍になるリレーで中央の後塵(こうじん)を拝すると厳しくなる。「王者のプライドを捨ててチャレンジャーの気持ちで臨んだ」(白井)。4人は、後がない気持ちでレースに向かった。
白井は入江(近大)にこそ後れを取ったものの2番手で平泳ぎの冨田にタッチ。冨田、前田がじわじわと差を詰め、トップ近大と0秒02差で最終泳者の伊藤につないだ。快速伊藤はあっさり近大をとらえ、堂々のトップゴール。エース格の冨田は「中京はリレーになると速い。そこがチーム力」と胸を張った。中京がメドレーリレーで連覇したのは、ロサンゼルス、ソウル両五輪代表の高橋繁浩監督が現役だった1982〜83年以来2度目。偉大な先輩に肩を並べた4人の表情は誇らしげだった。
最終日の第3日には、冨田の連覇が懸かる200メートル平泳ぎなど期待できる種目が残る。「連覇に向けて勢いが付けられたと思う」と白井。昨年3位だった女子も好調。男女同時優勝となれば、68年の日大以来43年ぶりの快挙だ。 (斎藤正和)
■小野口 病吹き飛ばす力泳 中京初の女王へ快進撃
初の女王の座へ。女子の中京は着々と足場を固めた。初日は400メートルリレーこそ2位で連覇を逃したが、50メートル自由形で雨宮(2年)が日本代表の松本(日体大)を破る金星。学校対抗得点でトップに立った。
第2日のヒロインは小野口だった。小野口は昨春ウイルス性の病気にかかり、約半年間練習ができない状態に。インカレも泣く泣く欠場したが、小野口の不在は大きく、中京は総合3位に敗れた。「今年はチームに迷惑をかけられない。行くしかない」。小野口は序盤から積極的に泳ぎ、終始先頭を守って優勝した。「中京のためだけに泳いだ。チームのために優勝できて本当にうれしい」。笑顔が光った。
2位日体大と差が開いたが、選手たちは守りに入るつもりはない。「初日の200メートル背泳ぎで予選落ちし、足を引っ張ってしまった。(最終日の)100メートルは最後の意地を見せたい」と主将の吾郷。ラストまで攻め続けて、男子とともに喜びを分かち合う。 (斎藤正和)
【男子】
▽400メートルメドレーリレー
(1)中京大(白井、冨田、前田、伊藤)3分35秒62(2)近大3分36秒49(3)中大3分37秒79
【女子】
▽200メートル自由形
(1)小野口由夏(中京大)2分0秒81(2)橋口(鹿屋体大)2分1秒10(3)吉田(慶大)2分1秒74
(2011年9月4日 中日スポーツ9面より)