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中日新聞掲載の大学記事

2008.06.10

研究室20年、先見の環境デザイン 名工大教授 堀越 哲美さん

 「当時は環境というより省エネの時代。人間の五感から都市計画までを研究していた私たちに、周りは何をバラバラなことを、となかなか理解してくれませんでしたね」

 こう振り返るのは名古屋工業大大学院工学研究科教授の堀越哲美さん(58)。今でこそもてはやされる「環境デザイン」を早くから打ち出し、研究室を開設したのが1988年。シックハウスやヒートアイランド−。地道に取り組んできた問題が時代のキーワードとなり、大学や分野を超えて走り回るキーマンたちを育て上げてきた。

 東京で生まれ育ち、北海道大で地球物理学や衛生工学を、東京工業大で建築を人間の快適性の観点から研究。4年間勤めた国鉄では駅舎や駅ビルの設計に携わるなど、自身の経歴がまさに「領域横断型」だ。研究者として赴任した名古屋では、都心部に海風を引き込む「風の道」づくりなどの大胆な提言を続ける。

 「都市的な規模での考え方や手法はかなり受け入れられてきた。次はどう実践に移すかです」

 研究室20周年を記念し、名工大講堂で14日午後4時半からシンポジウムを開く。同日から16日まで展示会も。問い合わせは堀越研究室=電052・735・5509 (関口威人)

(2008年6月10日 中日新聞朝刊19面より)
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