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お知らせ 2026.01.06
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防災 絵本で親しんで 能登のボランティアきっかけ 愛知学泉大生が制作

完成した絵本や、試作段階の絵を手にする学生ら=岡崎市舳越町の愛知学泉大で
災害時に助け合う心や防災への意識を幼い頃から高めてもらおうと、愛知学泉大(岡崎市舳越町)の学生が絵本を制作した。震災と豪雨に見舞われた能登半島でのボランティア活動がきっかけになって生まれた1冊。園児への読み聞かせも始めており、学生らは「毎日の中で、災害について考えるきっかけになれば」と力を込める。(白名正和)
動物たちが暮らす村が豪雨の被害を受けた。復興に向け、被災者の食事を準備していた住民のウサギが過労で倒れてしまう。事情を知った子どものリスや若者のシカらが「自分たちにできることはないか」と考え、一緒に復興に取り組んでいく-。絵本「ぽかぽかべんとう」は全24ページ。動物たちを主人公にした、子どもでも親しみやすい物語だ。
作成したのは、チーム「あそBousai(防災)」として活動する3年の神谷美葵(みき)さん、大谷明璃(あかり)さん、村木愛奈さん、榊原百香さんと2年の近藤有純(あすみ)さん、1年の神谷麻生(まな)さんと村松朋香さんの計7人。保育士や幼稚園、小学校の教諭を目指して学ぶ、家政学部こどもの生活学科に全員が所属している。
2024年3月、現3年生のメンバーが大学の募集に応じ、民宿のがれき撤去や神社の片付けをするために能登半島地震で被災した石川県珠洲市へ赴き、豪雨被害後の同年9月にも訪問した。現地での経験を通し、自分たちが学ぶ分野を重ね「防災について、子どもの頃から考えてもらうことが大切」と考えた。
意見を出し合い、絵本という形を決めた。「絵本であれば子どもにメッセージを伝えやすい。一緒に読む親や大人たちも、本に込めた思いを共有できる」。学業と並行して制作を進め、画用紙に手書きした試作品が同年末に完成。その後、能登への訪問を続けながら約1年をかけて、昨年11月に完成版を仕上げた。
12月20日、同大を会場に行われた「長瀬冬まつり」内で読み聞かせも行い、来場した幼児らは静かに聞き入った。学生らは「防災を特別なことと考えず、今回の絵本を通して子どもから大人、社会へと考える輪が広がっていけば」「子どもの純粋さや素直さは、避難所でピリピリした大人の心を和らげる力がある。そんな子どもの力が避難所運営にも役立てば」と口々に語った。
(2026年1月6日 中日新聞朝刊西三河版より)