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中日新聞掲載の大学記事

お知らせ  2025.09.18

名大など、新型コロナ抗体解析 ワクチン接種後 感染リスクに差

■変異株拡大防止 重症抑制に期待

 名古屋大などのチームは、新型コロナウイルスのワクチン接種による抗体の増減を解析した結果、抗体が100日持続せず、接種後の「ブレークスルー感染」をしやすい集団があることが分かったと17日付米医学誌に発表した。リスクが高い集団が特定できれば、適切なタイミングで優先して接種することで、変異株の感染拡大防止や重症患者の抑制につながると期待される。

 チームを主導した岩見真吾・名古屋大教授(数理科学)は「この解析手法はさまざまな種類のワクチンに応用できる。将来の世界的大流行(パンデミック)で効率的な感染症対策に貢献するだろう」と話した。

 チームは一般住民のコロナワクチン接種が始まった2021年4月~22年11月、福島県在住の約2500人のデータを収集し、人工知能(AI)でワクチン接種後の抗体の増減を解析した。

 その結果、追加接種後の血中に抗体の免疫グロブリンG(IgG)が多く長期間残る「耐久型」、抗体が少なく減少が早い「脆弱(ぜいじゃく)型」、抗体は多いが早期に減少する「急速低下型」の三つの特徴的なパターンがあることが分かった。

 さらに「脆弱型」と「急速低下型」は、ブレークスルー感染しやすいことも判明。追加接種後3カ月を過ぎると感染のリスクが大幅に高まるため、継続的な接種により抗体量を増やす必要があるという。

(2025年9月18日 中日新聞朝刊26面より)
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