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学生活動  2025.03.25

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金沢工大生らが放課後デイ支援 遊びが学びに 新感覚ゲーム

タブレット端末で算数ゲームを解く利用者に教える井上輝星さん(左)ら=内灘町向粟崎のキッズステーションうちなだで

タブレット端末で算数ゲームを解く利用者に教える井上輝星さん(左)ら=内灘町向粟崎のキッズステーションうちなだで

 金沢工業大(野々市市)は、教員や学生でつくる「こどもの成長を見守るおもちゃプロジェクト」が開発した新感覚ゲームを、内灘町向粟崎の放課後デイサービス「キッズステーションうちなだ」に提供した。楽しく体を動かしながら音感を養うゲームなどに子どもたちが挑戦。キッズステーションは4月以降に本格導入し、一人一人の個性に合った支援につなげていく。(奥田哲平)

■音当てや算数 個性、社会性育む

 プロジェクトは10年ほど前から、遊びを通じて学ぶ「おもちゃ」を情報技術(IT)を活用して制作し、保育園や児童クラブなどに提供。この日の「どれみたっち」は、ピアノの一つの音を聞いて「ドレミファソラシ」のどれかを当てるゲーム。参加者の画像を認識し、プロジェクターで壁に映し出したゲームの中で、小学生らが手をかざして答えの音を選んだ。

 ほかにもタブレット端末で算数問題を解きながら冒険するロールプレーイングゲームも。子どもは、初めは操作の方法が難しかった様子だが、次第に慣れていった。自閉症などさまざまな障害特性がある利用者が通うキッズステーションの小嶌裕香代表(53)は「遊びを通じてコミュニケーション能力を高め、将来社会に出た時に就労につなげていければ」と話した。

 同大の江村伯夫准教授(音楽知覚認知学)は「ゲームの中でルールを守って遊び、譲り合うなど社会性を育むことも大きい」と強調。学生らが定期的に訪問し、ゲームの利用データを収集して音感が身に付く過程を研究する意味もある。

 プロジェクトリーダーの井上輝星(のぞみ)さん(21)は「子どもの反応を見て、別のゲームの要望があれば開発したい」と話している。

(2025年3月25日 北陸中日新聞朝刊金沢版より)

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