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学生活動  2025.03.05

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タイ山岳民族 学生寮を支援 愛知大有志 ゾウのふんから作った紙グッズ販売

タイでの活動を振り返る愛知大の(左から)後藤さん、吉野沙香さん、大熊梨花さん、伊藤瞳さん、仲野ゆずさん=中日新聞社で

タイでの活動を振り返る愛知大の(左から)後藤さん、吉野沙香さん、大熊梨花さん、伊藤瞳さん、仲野ゆずさん=中日新聞社で

 愛知大の学生有志「愛LAND(ランド)」が、ゾウのふんから作った紙「プープーペーパー」を用いたグッズを販売し、利益の約15万円を、タイの山岳民族の子どもたちが親元を離れて暮らす学生寮「カサロンの家」(チェンマイ市)に寄付した。名古屋市中村区の国際協力機構(JICA)中部でグッズの販売は継続しており、学生は「グッズを通して、タイの子どもたちの現状に関心を持って」とPRする。(三宅駿平)

 愛知大では2023年、学生団体「SEED(シード)」がカサロンの家でキーホルダーを作り、販売利益を寄付する活動を行った。SEED顧問の大学職員から「継続支援ができたら」と相談を受けた同大広報課が24年春、同学生寮の支援に特化したプロジェクトを立ち上げ、メンバーを募った。選考の結果、名古屋、豊橋両キャンパスの女子学生16人による「愛LAND」が昨年6月に発足した。

 プープーペーパーは浮き出た繊維が柔らかな印象を与える、和紙に似た質感が特徴。SEED顧問の大学職員から同ペーパーの存在を知った愛LANDのメンバーは昨年8月、タイ北部チェンマイ市の体験施設で紙作りに取り組んだ。ふんを採集したり、煮立てたり、天日干しにしたり。一連の紙すき作業を経験し、自ら作った紙を日本に持ち帰った。

 メンバーは帰国後、ブックカバーやレターセット、しおりなどに加工。アクセサリー工房と連携し、ピアスなども作った。グッズは県内のイベントなどで販売し、昨年9~12月に15万円ほどの利益を上げた。

 メンバーはタイ滞在中、カサロンの家で暮らす子どもたちとも交流。日々の食事すら満足に得られない環境で、夢を追う姿などが印象に残った。リーダーの後藤彩夏(さな)さん(20)=経営学部2年=は「今年はまた別の物を作って販売し、カサロンの家に寄付したい」と継続的な支援を続けるつもりだ。

(2025年3月5日 中日新聞朝刊県内総合版より)

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