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学生活動  2025.03.04

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障害者の視点 ゲームで体験 名城大 学生ら筆談や身ぶり駆使

ゲームで、視覚や聴覚などの障害を疑似体験しながら謎解きを進める学生ら=東区の名城大ナゴヤドーム前キャンパスで

ゲームで、視覚や聴覚などの障害を疑似体験しながら謎解きを進める学生ら=東区の名城大ナゴヤドーム前キャンパスで

 市内の大学生らが2月25日、東区の名城大ナゴヤドーム前キャンパスで、障害がある人の社会的障壁を疑似体験しながら謎を解くゲームに挑戦した。障害がある人の視点に気付き、他者に寄り添う重要性を学んだ。

 市と障害がある人のアート作品を世に広める盛岡市の企業「ヘラルボニー」が連携して開催。企業経営において、従業員の個性を最大限に生かすことが高い価値創出につながるという考え方「DE&I」を若者に学んでもらおうと呼びかけ、市内の大学や大学院の学生ら約30人が参加した。

 体験したのは、手話を使うろう者や難聴者と健聴者がチームで協力してプレーできる謎解きゲーム「異言語箱1」。同社で働くろう者の菊永ふみさん(39)が開発した。ゲームは、企業や自治体の研修などでも活用されているという。

 ゲームが始まると、参加者には1人ずつ、健常者や障害者などの役割が与えられた。障害や役割に応じて、視界を遮るサングラスや聞こえにくくするヘッドホンを装着し、車いす役の人は立つことができないなどの制約に従って進行。爆弾を解除する架空のミッションをクリアするために、筆談や身ぶり手ぶりで考えを伝え合ったり、車いすの人の目線に合わせて床で作業したりした。

 視覚障害を疑似体験した日本福祉大3年の岩瀬鈴加さん(21)は「見えないと周りの状況が分からず、声での明確な指示が大切だと分かった」という。名古屋工業大大学院1年の岡部和真さん(23)は「不便さも分かった。障害のあるなしにかかわらず、初めて会った人とも楽しめて面白かった」と話した。

 講師を務めた菊永さんは「ゲームを通じて、公平性とは何かということに気付いてほしい」と手話で伝えた。(大野沙羅)

(2025年3月4日 中日新聞朝刊市民総合版より)

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