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学生活動 2025.02.19
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便利 おしゃれな街並み 遊びも充実 「港区で暮らす」 想像を
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たこ焼きパーティーの様子を撮影する学生ら=港区のレンタルスペースで
「暮らす場所」としての港区の魅力を発信する活動に、名古屋学院大(熱田区)現代社会学部の学生たちが取り組んでいる。ターゲットは子育て中の20、30代や大学生ら若者世代。街を歩き、発見した名所やお店を交流サイト(SNS)で紹介するほか、港区での暮らしをイメージしてもらえる動画を撮影するなど奮闘している。(四方さつき)
今月上旬、港区のレンタルスペースに同学部の学生4人が集まった。この場所を架空の女子大学生が1人暮らしをする家と設定。友達と買い物へ行き、家でたこ焼きパーティーをする動画の撮影に取り組んだ。自分たちが女子大学生と友達の役を演じ、手元や後ろ姿をスマートフォンで撮っていく。「たこ焼きが完成したところは撮った?」「おしゃれな感じに仕上げたいね」と話も弾んだ。
いずれも3年の上之園遼香(うえのそのはるか)さん(21)は「伝えたいことを事前に話し合って作るようになり、動画の質が上がった」、小沢美月さん(21)は「動画によって閲覧数に差がある。何が求められているのかがよく分かる」と話した。
2023年、民間会社が全国の町の住みやすさを調査したランキングで、港区の市営地下鉄東海通駅周辺が愛知県の大賞に選ばれた。発展性や住環境、交通の便の良さが評価された。港区役所地域力推進課の担当者は「街の良さをPRする好機と捉えた」と話す。
区内ではマンションや商業施設の建設など、民間事業者による開発が進み、行政も防災、防犯の取り組みなどにも力を入れている。ただ、役所からの発信だけでは若い世代に魅力が届きにくいと考え、名古屋学院大の江口忍教授に協力を依頼。ゼミ生など学生約20人が集まり、昨年4月からプロジェクトをスタートした。
中心メンバーの3年大塚美咲さん(21)は「それまで港区内で遊んだことはほとんどなかった」といい、各地を巡って街を知るところから始めた。「大型商業施設があって、街並みもおしゃれ。観光施設や子連れで遊べる場所もたくさんあった」。より多くの人に港区の良さを知ってもらいたいという思いが、自然と湧き上がったという。
「ふわっとしたイメージではなく、世代ごとの生活スタイルや価値観に刺さるメッセージを考えた方が良いと話がまとまった」と大塚さん。区役所の要望も踏まえ、20~30代の子育て世代の女性、1人暮らしの女子大学生のそれぞれに向けた魅力を発掘し、昨年12月からSNSで発信を続けている。
大塚さんは「動画につける音楽も工夫して、なるべく多くの人が見てもらえるように気を配っている。私たちの活動に注目してもらい、港区への関心が広がればうれしい」と話している。
(2025年2月19日 中日新聞朝刊市民版より)