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お知らせ  2024.09.16

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自己免疫疾患 仕組み解明 名大、藤田医大など 異常タンパク質 異物と認識

 免疫が自分の体を攻撃する自己免疫疾患は、免疫細胞が体内で作られた異常なタンパク質を「自分ではない」異物と認識して発症することを突き止めたと、大阪大や名古屋大、藤田医科大などのチームが13日付の米科学誌に発表した。異常タンパク質の認識には、多くの人が感染しているヘルペスウイルスが関わっているという。

 チームの荒瀬尚大阪大教授は「ウイルスの活動を抑えて、発症を防ぐような薬が開発できるのではないか」と話した。

 免疫では、ウイルスに感染した細胞が皿に載せるようにして中身をT細胞に示すことで、T細胞がウイルスを攻撃するようになる。だが皿に中身が載るよう導くタンパク質「インバリアント鎖(さ)」が何らかの原因で減ると、普段は細胞内にとどまるはずの異常なタンパク質も皿に示されてしまう。その結果自身を攻撃する抗体ができることが分かっていたが、T細胞の働きは不明だった。

 今回チームは、インバリアント鎖をなくしたマウスを作製。その結果、自己免疫疾患の「全身性エリテマトーデス」によく似た症状を発症した。脾臓(ひぞう)には、異常なタンパク質を識別して攻撃するT細胞が大量にあった。

 実際に全身性エリテマトーデス患者を調べたところ、健康な人と異なり、約1割のT細胞が異常なタンパク質を攻撃する性質を持っていることが分かった。

 さらに患者では、ヘルペスウイルスがしばしば活性化していた。ウイルスの働きが活発になると、インバリアント鎖が減り、異常タンパク質が増えることが判明。ウイルスの活動が引き金となり、自己免疫疾患につながっていると考えられるという。

(2024年9月16日 中日新聞朝刊24面より)

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