進学ナビ

HOME > 中日新聞掲載の大学記事 > 学生活動

中日新聞掲載の大学記事

学生活動  2023.08.22

この記事の関連大学

旧さつまや旅館活用へ知恵絞る 白鳥で学生が構造調査 郡上北高生も参加

旧「さつまや旅館」の調査をする学生たち。客室には立派な床の間がある=郡上市白鳥町で

旧「さつまや旅館」の調査をする学生たち。客室には立派な床の間がある=郡上市白鳥町で

■大正-昭和初期 味わいある建築様式

 郡上市白鳥町の長良川鉄道美濃白鳥駅前にある旧「さつまや旅館」で21日、名城大理工学部建築学科の学生が建物の活用に向けた調査をした。築100年ほどとみられる旅館は大正から昭和初期にかけての建築様式を残し、複雑に入り組んだ間取りは不思議な雰囲気を感じさせる。どうすれば貴重な建造物を再生できるのか。学生たちは来年春までに具体的な計画案をまとめる。(中山道雄)

 米沢貴紀准教授(44)の研究室が、地域活性化のために取り組んでいる事業。3年生7人が19日から白鳥に入り、さつまや旅館の歴史と構造を調べている。

 木造2階建ての旅館は1階に6室、2階に9室がある。現在は1階の一部が喫茶店「憩」として利用されているが、客室の大半は60年以上前から使われていない。2階に上がると、立派な床の間を備えた客室が廊下をはさんであちこちに広がる。廊下から1段下がった隠し部屋のような客室もあり、建物全体が迷路のような造りをしている。内装は建具を含めて手間がかかっており、どこかモダンな雰囲気がある。

 21日の調査では、学生たちが自作した旅館の間取り図を基に、客室や廊下の寸法を巻き尺やレーザー距離計で詳しく計測。郡上北高校の生徒4人も加わり建物の全体像を正確に把握する作業を進めた。夜は地元の人たちがつくる親睦会「新栄町頼母子講(たのもしこう)」に参加して、さつまや旅館の活用について意見交換した。

 江戸時代に金融の民間互助組織として盛んだった頼母子講は、今も形を変えて郡上各地に生き残っている。会員たちは名古屋市から来た学生のために全長20メートルの竹のといを用意し、流しそうめんでもてなした。旅館の調査に参加した塩森櫻子(さくらこ)さん(20)は「駅前の便利な立地だから、改装して宿泊施設にする道があるのでは」と話した。

 学生たちは22日午後1時半から、喫茶店「憩」で成果発表会を開く。米沢准教授は「観光客が多い郡上市八幡町では、昔ながらの町家が商業施設になっている。白鳥町に残る古い建物の価値を見直し、うまく活用できれば地域活性化に役立てられる」と語った。

(2023年8月22日 中日新聞朝刊中濃総合版より)

戻る < 一覧に戻る > 次へ

名城大学資料・願書請求はこちら

詳しく見る

資料請求・願書請求 この大学のHPを見る