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学生活動  2023.07.14

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ふるさと納税赤字の蟹江町 寄付アップへ 名城大生とタッグ

ふるさと納税についてPR方法の改善策などを話し合う学生ら=蟹江町役場で

ふるさと納税についてPR方法の改善策などを話し合う学生ら=蟹江町役場で

■返礼品充実やPR策 若者のアイデアを

 ふるさと納税による町税の流出に悩む蟹江町が、寄付額アップの取り組みを強化している。本年度からは名城大(名古屋市)の学生に協力を依頼。「赤字からの脱却! 今こそ蟹江の底力を!」を合言葉に、若者の感性を生かし、返礼品の開拓やPR方法などに知恵を絞る。(伊勢村優樹)

 同町はふるさと納税で入る寄付から、町外へ流出した税金を差し引いた赤字額が2021年度に9600万円と、全国の町村で4番目に多い。町民による町外の自治体への寄付が拡大する一方、町への寄付額がそれを大きく下回るためだ。

 これを受け、町は返礼品を掲載するネット上のポータルサイトを従来の1つから、8つに増やした。また返礼品の数も21年度の74種類から、22年度は2倍以上の163種類に拡充。その結果、寄付額は21年度の475万円から、22年度は1200万円と2.5倍に伸びた。

 町への寄付をもう一段押し上げようと、名城大経営学部の沢田慎治准教授のゼミ生25人と連携。同ゼミはこれまで農協の産直店舗の活性化策などを提案してきた実績がある。5月から活動をスタートさせ、学生と町との打ち合わせには横江淳一町長も参加。ふるさと納税制度の成り立ちから、返礼品を巡る自治体間競争まで実情を説明した。

 学生らは現在、ゼミの課題として町のふるさと納税の調査や研究をしており、12月に改善策を町側に提案する報告会を開く予定。JR蟹江駅のデジタルサイネージで流すPR動画なども作ってもらうという。

 学生からは多くのアイデアが寄せられ、ある女子学生は「ふるさと納税サイトでは返礼品が埋もれていく可能性がある。蟹江の品を見つけてもらうことが大事」と提案。町は返礼品に、地元の近藤機械製作所が手がける自転車部品ブランド「GOKISO」の自転車用品を加えたことに触れ、「自転車好きがいる専門店やJRの駅でPRしてみたら」などの意見も出ている。

 町の返礼品は、地元の尾張温泉のもとなど年々増えているとはいえ、1000種類を超える返礼品をそろえる自治体と比べると、見劣りするのが現状だ。横江町長は町税の流出について「町民に安定的な行政サービスが提供できなくなる」と不安視。町への寄付額を1500万円以上に増やす目標を掲げ、「産官学でふるさと納税をグレードアップしたい」と学生の協力に期待した。

(2023年7月14日 中日新聞朝刊尾張版より)

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