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お知らせ  2022.12.10

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リトアニアと日本 今もつなぐ杉原

杉原千畝の功績を解説するストレルツォーバス館長(左)=東区の名城大ナゴヤドーム前キャンパスで

杉原千畝の功績を解説するストレルツォーバス館長(左)=東区の名城大ナゴヤドーム前キャンパスで

■名城大 友好100周年で記念講演会

 第2次世界大戦中にバルト3国のリトアニアでユダヤ人難民に「命のビザ」を発給した外交官の杉原千畝(ちうね)をテーマにした講演会が7日、東区の名城大ナゴヤドーム前キャンパスで開かれた。リトアニアから来日した歴史学者2人が、同国で偉人として顕彰されている杉原の功績について解説した。

 日本が1922年にリトアニアを国家として承認し、今年で友好100周年になることを記念し、同大が開催。首都ビリニュスにあるユダヤ史博物館のシモナス・ストレルツォーバス館長は、39年にナチス・ドイツとソ連に侵攻されたポーランドからユダヤ人難民が安全なリトアニアに逃げたが、リトアニアも40年6月にソ連に進駐された歴史経過を説明。難民が7~8月に脱出のため、ビザを求めて日本領事館に殺到した背景を解説した。

 難民を救った杉原の物語が、現在のリトアニアで戦争を語り継ぐ題材になっていることにも触れ、「リトアニアと日本という2つの異なる国でヒーローとたたえられる人物は非常に珍しい」と語った。

 ビリニュス大歴史学部のサルビユス・クレビチウス副学部長は、領事館があった都市カウナスで市民の主導により杉原の顕彰が行われ、日本との交流も盛んなことを紹介。「杉原はすでに亡くなったが、今日も外交官の仕事をし続けているともいえる」と強調した。

 ストレルツォーバス館長は、ロシアの侵攻を受けるウクライナからの避難民支援のため、名城大の稲葉千晴教授と学生らが行っている「杉原千畝ウクライナ難民募金」にも協力。避難民がリトアニアで言葉や仕事につながる技術を学ぶために、募金が活用されていることも報告した。

 杉原は岐阜県で生まれ、7歳ごろから名古屋で生活。愛知県立第五中学校(現在の瑞陵高校、瑞穂区)で学んだ。名城大は瑞陵高にある杉原千畝広場のボランティアガイドを育成しており、この日はガイド24人の認定式も行われた。 (今井智文)

(2022年12月10日 中日新聞朝刊市民総合版より)

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