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学生活動  2022.12.10

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折れたバット さあ第2打席 箸、ティッシュ箱などへ加工販売し「緑の募金」へ

製作した商品を手に赤井専務理事(左)に寄付金を渡す名古屋聾学校の生徒と名城大の学生=県三の丸庁舎で

製作した商品を手に赤井専務理事(左)に寄付金を渡す名古屋聾学校の生徒と名城大の学生=県三の丸庁舎で

■名古屋聾学校生と名城大生

 折れたバットを再利用した商品を名古屋聾学校(名古屋市千種区)の生徒と名城大(同市天白区)の学生が協力して製作、販売し、売り上げ8万2787円を7日、緑化推進のために使われる「緑の募金」に寄付した。 (片岡典子)

 商品開発に取り組んだのは名古屋聾学校高等部専攻科で木材加工を中心に家具作りを学ぶ生徒7人と、名城大経済学部の学生27人。名古屋聾学校ではこれまでにプロ野球中日ドラゴンズの選手の折れたバットを使って指揮棒を作るなどしており、同大の伊藤志のぶ教授の呼びかけで共同での取り組みが実現した。4月から週1回、夏休み中にも数回集まり、商品の話し合いや製作を進めてきた。

 使ったのは愛知大学野球連盟から提供を受けたバット約200本のうちの大部分。バットを薄く切断し、貼り合わせるなどし、キーホルダー、箸、ドラムスティック、ティッシュボックスといった商品を製作した。10月末の名古屋聾学校の文化祭と、11月初旬の名城大の大学祭で販売したところ、保管用を残して完売。木の循環につなげようと、売り上げを緑の募金に寄付することにした。

 この日は名古屋聾学校の生徒と学生らが県三の丸庁舎を訪ね、県緑化推進委員会の赤井優友専務理事(61)に現金や折れたバットから作った目録を手渡した。名古屋聾学校の専攻科2年、白川輝斗(きらと)さん(20)は「バットの木材は堅く、削るのは難しかったが、納得いく物ができた。皆が買ってくれてうれしかった」、名城大3年、永井聡1郎さん(20)は「最初はどうコミュニケーションをとればよいかと思ったが、身ぶり手ぶりや携帯を使うなどで何とかなるものだと分かり、良い経験だった」と振り返った。

■指揮棒製作 名フィルに 指揮者・川瀬さん呼びかけ竜も協力

 プロ野球中日ドラゴンズの選手の折れたバットから作った指揮棒を、名古屋聾学校(名古屋市千種区)の生徒が9日、名古屋・栄の県芸術劇場で、名古屋フィルハーモニー交響楽団に寄贈した。

 指揮棒製作は2020年に始まり3年目。楽団正指揮者の川瀬賢太郎さん(37)がツイッターで、折れたバットの指揮棒への再利用を呼びかけ、中日が応じたことがきっかけで、名古屋聾学校が協力してきた。

 今年は専攻科1、2年生の7人が参加。バット5本ほどをかんなや紙やすりで削るなどし、指揮棒27本に仕上げた。2本は長さや重心を川瀬さんに合わせて調整。残りは海外から招かれた指揮者や、地域の音楽団体、学校に贈る。

 この日は、川瀬さんの名前を彫った特製の箱に入れた指揮棒を2年、神田歩夢さん(20)が、川瀬さんに手渡した。神田さんは「削る手を頻繁に止め、指揮棒を振ってみてはバランスを確認した。喜んでくれた様子で私もうれしくなった」と笑顔だった。 (片岡典子)

(2022年12月10日 中日新聞朝刊県内総合版より)

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