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2010.07.30
世界大学野球きょう開幕 初戦 斎藤が先発
■自国初開催 投手力武器に
日本で初開催される第5回世界大学野球選手権は30日に8カ国・地域が参加して神宮球場などで開幕し、2002年の第1回大会から5大会連続出場の日本は初優勝を目指す。榎本監督は29日、1次リーグ初戦の韓国戦に早大のエース斎藤を先発させることを明らかにした。
チームは同日、神宮球場の室内練習場で最終調整し、斎藤は菅野(東海大)らとともにブルペン入りし、約40球を投げて登板に備えた。野手陣は軽めの守備、打撃練習で汗を流した。榎本監督は「初戦が先の戦い方のすべてを握っている」と気を引き締めた。
大会には4連覇を狙う米国や第1回大会覇者のキューバなどが参加。順調に日程を消化すれば、決勝は8月7日に神宮球場で行われる。
日本は強力な投手力を前面に押し出し、初優勝を目指す。
先発の軸は国際経験が豊富な斎藤(早大4年)と、緩急を生かした巧みな投球を持ち味とする左腕の藤岡(東洋大3年)。150キロ台の速球を投げる大石(早大4年)と菅野(東海大3年)が抑え役を担う。菅野は要所での先発起用もあり得る。学生最速の球速157キロを誇る沢村(中大4年)が右脇腹痛のため代表から外れたものの、質量ともに申し分のない陣容といえる。
大会は8チームが2組に分かれた1次リーグで各組の順位を決め、たすき掛け(A組1位−B組4位など)で準々決勝を行い、準決勝、決勝と進む。A組は米国、台湾、カナダ、スリランカ。B組は日本、キューバ、韓国、中国。同組2位以内に入らなければ準々決勝では米国か台湾との対戦が濃厚になるため、最低でもキューバか韓国のどちらかに勝つ必要がある。
開幕戦の韓国戦に先発予定の斎藤は「前回大会では韓国に勝っている。最低でも5回を最少失点に抑えたい」とエースの自覚を口にする。
最大の難敵になりそうなのは、昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)代表を6人含むキューバ。WBCでベストナインに選ばれたセスペデスと、2季連続国内リーグ本塁打王のデスパイネ両外野手は要注意だ。米国も、2年前に米大リーグのドラフトでヤンキースから1位指名されたコール投手ら将来性の高い選手が多い。
■キューバ戦 初Vの鍵
日本の榎本監督(近大)は「米国とキューバには一度も勝っていない。特にキューバには惜しいところで負けたことがあるので借りを返したい」と両チームを強く意識する。藤岡が先発する1次リーグ最終戦のキューバ戦が、初優勝へ向けた最初の関門となりそうだ。 (堤誠人)
世界大学野球日程(日本関連)
7月30日 1次リーグ 日本−韓国(18時・神宮)
31日 1次リーグ 中国−日本(18時・神宮)
8月 1日 1次リーグ 日本−キューバ(12時・神宮)
3日 準々決勝(12時・横浜スタジアムほか)
4日 準々決勝(12時・横浜スタジアム)
5日 準決勝(12時・横浜スタジアム)
6日 順位決定戦(12時・神宮ほか)
7日 3位決定戦(12時・神宮)
決勝(18時・神宮)
■米、4連覇に自信
世界大学野球選手権で4連覇を目指す米国代表が29日、東京都内で記者会見し、ビル・キンナバーグ監督は「充実した投手陣とセンターラインが軸の守りに自信を持っている。打線は中軸に破壊力がある。ベストを尽くして金メダルを獲得する」と抱負を話した。
2008年の米大リーグのドラフト会議でヤンキースから1位指名された右腕で、昨年の日米大学選手権でも剛球を披露したゲリット・コール(カリフォルニア大ロサンゼルス校)は「秘密の球を投げるのでお楽しみに。うまいすし店を教えてほしいね」と余裕の表情だった。
米国は1カ月近く練習を積み、台湾で調整してから29日に来日した。1次リーグは日本とは別のA組に入り、スリランカ、台湾、カナダと対戦する。
(2010年7月30日 中日新聞朝刊22面より)
日本で初開催される第5回世界大学野球選手権は30日に8カ国・地域が参加して神宮球場などで開幕し、2002年の第1回大会から5大会連続出場の日本は初優勝を目指す。榎本監督は29日、1次リーグ初戦の韓国戦に早大のエース斎藤を先発させることを明らかにした。
チームは同日、神宮球場の室内練習場で最終調整し、斎藤は菅野(東海大)らとともにブルペン入りし、約40球を投げて登板に備えた。野手陣は軽めの守備、打撃練習で汗を流した。榎本監督は「初戦が先の戦い方のすべてを握っている」と気を引き締めた。
大会には4連覇を狙う米国や第1回大会覇者のキューバなどが参加。順調に日程を消化すれば、決勝は8月7日に神宮球場で行われる。
日本は強力な投手力を前面に押し出し、初優勝を目指す。
先発の軸は国際経験が豊富な斎藤(早大4年)と、緩急を生かした巧みな投球を持ち味とする左腕の藤岡(東洋大3年)。150キロ台の速球を投げる大石(早大4年)と菅野(東海大3年)が抑え役を担う。菅野は要所での先発起用もあり得る。学生最速の球速157キロを誇る沢村(中大4年)が右脇腹痛のため代表から外れたものの、質量ともに申し分のない陣容といえる。
大会は8チームが2組に分かれた1次リーグで各組の順位を決め、たすき掛け(A組1位−B組4位など)で準々決勝を行い、準決勝、決勝と進む。A組は米国、台湾、カナダ、スリランカ。B組は日本、キューバ、韓国、中国。同組2位以内に入らなければ準々決勝では米国か台湾との対戦が濃厚になるため、最低でもキューバか韓国のどちらかに勝つ必要がある。
開幕戦の韓国戦に先発予定の斎藤は「前回大会では韓国に勝っている。最低でも5回を最少失点に抑えたい」とエースの自覚を口にする。
最大の難敵になりそうなのは、昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)代表を6人含むキューバ。WBCでベストナインに選ばれたセスペデスと、2季連続国内リーグ本塁打王のデスパイネ両外野手は要注意だ。米国も、2年前に米大リーグのドラフトでヤンキースから1位指名されたコール投手ら将来性の高い選手が多い。
■キューバ戦 初Vの鍵
日本の榎本監督(近大)は「米国とキューバには一度も勝っていない。特にキューバには惜しいところで負けたことがあるので借りを返したい」と両チームを強く意識する。藤岡が先発する1次リーグ最終戦のキューバ戦が、初優勝へ向けた最初の関門となりそうだ。 (堤誠人)
世界大学野球日程(日本関連)
7月30日 1次リーグ 日本−韓国(18時・神宮)
31日 1次リーグ 中国−日本(18時・神宮)
8月 1日 1次リーグ 日本−キューバ(12時・神宮)
3日 準々決勝(12時・横浜スタジアムほか)
4日 準々決勝(12時・横浜スタジアム)
5日 準決勝(12時・横浜スタジアム)
6日 順位決定戦(12時・神宮ほか)
7日 3位決定戦(12時・神宮)
決勝(18時・神宮)
■米、4連覇に自信
世界大学野球選手権で4連覇を目指す米国代表が29日、東京都内で記者会見し、ビル・キンナバーグ監督は「充実した投手陣とセンターラインが軸の守りに自信を持っている。打線は中軸に破壊力がある。ベストを尽くして金メダルを獲得する」と抱負を話した。
2008年の米大リーグのドラフト会議でヤンキースから1位指名された右腕で、昨年の日米大学選手権でも剛球を披露したゲリット・コール(カリフォルニア大ロサンゼルス校)は「秘密の球を投げるのでお楽しみに。うまいすし店を教えてほしいね」と余裕の表情だった。
米国は1カ月近く練習を積み、台湾で調整してから29日に来日した。1次リーグは日本とは別のA組に入り、スリランカ、台湾、カナダと対戦する。
(2010年7月30日 中日新聞朝刊22面より)