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中日新聞掲載の大学記事

お知らせ  2022.02.17

瀬戸の魅力の原石 研究発表 大学コンソーシアム

生態系について発表した名古屋産業大の学生=瀬戸市蔵所町の瀬戸蔵で

生態系について発表した名古屋産業大の学生=瀬戸市蔵所町の瀬戸蔵で

■空き家をゲストハウスや学生寮に ■オオサンショウウオ ごみから守って

 瀬戸市と近隣の6大学でつくる任意団体「大学コンソーシアムせと」は16日、2021年度の活動発表会を同市蔵所町の瀬戸蔵で開いた。大学教員や学生らが、市内の地域振興につながる研究成果を披露した。(加藤慎也)

 同団体は03年に設立。市まちづくり協働課に事務局を置き、学生や教授が助成金を使って市内で課題を見つけ、解決・発展の道を探っている。21年度は19組が報告した。

 愛知工業大(豊田市)建築学科講師の益尾孝祐さん(46)は、せと末広町商店街にある20年以上使われていない大正時代建築の旅館「松千代館」のリノベーション事業を発表した。昨年10月に改装を終えて、1階を市民向けの貸しスペースに、2階を学生用シェアハウスとして活用していることを紹介した。

 学生が商店街でアルバイトをするなど地元とのつながりも生まれている。益尾さんは「尾張瀬戸駅周辺にも空き家が増えている。リノベーションでゲストハウス化や学生寮としての活用を検討していかなくては」と提言した。

 下半田川町にあるオオサンショウウオの県内唯一の自然繁殖地域の保全を目指す名古屋産業大(尾張旭市)の学生らは、市環境課と2年間続けてきた調査と啓発の活動を報告。4台の定点カメラを4カ月設置した現代ビジネス学部4年の太田好規さん(22)は「ノウサギやニホンカモシカなど珍しい生物が多数いた」と話した。同地域ではごみの不法投棄問題も起きており、「市内の人でも豊かな生態系が残っていることを知らない。私たちが卒業しても後輩たちに活動をつなげてもらいたい」と語った。

 講評した愛知工業大総合技術研究所の近藤元博教授は「瀬戸の気づかれていない魅力を前向きに資源化したプロジェクトが多かった」と総括した。

(2022年2月17日 中日新聞朝刊なごや東版より)

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