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お知らせ  2021.06.20

スマートメーター活用 生活把握し適切な介護 愛知学院大教授ら実証実験

実験を主導した石橋教授=日進市の愛知学院大で

実験を主導した石橋教授=日進市の愛知学院大で

 家庭に設置された電力量計「スマートメーター」のデジタル通信機能を活用し、高齢者の生活リズムを家電の使用状況から把握することで、適切な介護サービスを提供できる-。そんな実験結果を愛知学院大の石橋健一教授らがまとめた。「介護の質向上につながった。人手不足の現場を助けたい」と石橋教授は話しており、実用化の道を探る。 (西川侑里)

 実験では、高齢者宅のスマートメーターが送信する消費電力量から家電の使用状況を解析する「非侵入型モニタリング機器」を使った。すでに昨年までの実験で生活実態を把握できることが実証されている。

 今回は、長久手市内の高齢者宅4軒で3月に1週間実施。利用している訪問介護サービス施設の職員のスマホに、1分ごとに家電の使用状況を伝えた。スマホの画面には電子レンジ、ポット、風呂など54種類の家電の使用時間が、マークとともに示された。

 協力した同市の介護事業所「楽家晴」によると、電子レンジや掃除機の使用状況から家事をしているなどと判断。安否確認の電話を入れるタイミングが分かるようになった。消費の少ない時間が続き、心配して電話をすることもできたという。一人暮らしの女性(80)は「脱水症状や転倒したらどうしようと考えて1番怖かったお風呂にも安心して入れる。機器を置いてもらえて良かった」と振り返った。

 同所管理者で介護福祉士の福岡千夏さん(31)は「受信画面は、初心者でも使いやすい。適切なタイミングで利用者さんと会話でき、コミュニケーションが深まった」と話す。石橋教授は「介護職や遠方の家族が状況を把握できれば、高齢者の心配も和らぐと思う」と考える。今後は、異常が確認された場合の対応を含めて実用化を検討していく。 

(2021年6月20日 中日新聞朝刊市民総合版より)

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