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学生活動 2021.02.24
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名古屋城石垣 ぬいぐるみに 名芸大生森島さんデザイン 障害者ら手作り 来月春まつりで販売
名古屋城の石垣石をかたどったユニークなぬいぐるみが、3月20日から開かれる名古屋城春まつりで販売される。名古屋芸術大ヴィジュアルデザインコース4年の森島ひかりさん(21)=春日井市=がデザインした作品を基に、北区の障害者就労支援施設「モーヤーコ」の利用者たちが1点1点手作りした。森島さんらは「金のしゃちほこや天守閣だけではない、名古屋城の多面的な魅力を知ってもらうきっかけになれば」と願う。 (小島哲男)
森島さんは昨年春、同コースの3年生たちによる名古屋城をテーマにしたデザイン作品展「ナゴヤ展」に、23人の参加者の1人として出展。刻印のある石垣石などに着目し、5点のぬいぐるみを「奴らは名古屋城の中にいる」と題して出品した。この作品が名古屋城の関係者の目に留まり、商品化の話が進んだ。
商品となったのは、このうち4点。城内の石垣の中で最大の石材「清正石」をかたどった「清正石くん」と、特徴的な刻印のある石がモチーフの「だんごくん」「ひょうたんくん」、もう1つは、もともと石垣に使われていたが庭石に転用された石を模した「芝石くん」だ。
清正石くんは幅28センチ、高さ13センチとやや大きめで、ほか3点は手のひらサイズ。それぞれの石の表情を捉え、素材を工夫した。ひょうたんくんは光沢のあるクラッシュベロア、芝石くんはフェルトといった具合に異なる生地を使った。
製作依頼を受けたモーヤーコの利用者たちは、森島さんとの打ち合わせや刺しゅうの練習などを繰り返し、昨年秋以降、まつりでの販売用に各20個を完成させた。女性(40)は「刺しゅうは最初、難しかったけど、だんだんと楽しくなった」と製作を振り返る。名古屋城総合事務所は、5月5日までのまつり以降も公式土産として販売を続けたい考えだ。販売価格は調整中という。
名古屋芸術大の学生たちによる名古屋城でのナゴヤ展は2018年度に始まり、これまで3回開催。城の本質的な価値をデザイン作品にして提案してきた。商品化につながったのは今回が初めてで、森島さんは「名古屋城の魅力探しの一助になればうれしい」と喜ぶ。学生たちを指導する遠藤一成准教授も「提案で終わらず、実際の形となって社会につながったことの意義は大きい」と話している。
(2021年2月24日 中日新聞朝刊市民版より)
森島さんは昨年春、同コースの3年生たちによる名古屋城をテーマにしたデザイン作品展「ナゴヤ展」に、23人の参加者の1人として出展。刻印のある石垣石などに着目し、5点のぬいぐるみを「奴らは名古屋城の中にいる」と題して出品した。この作品が名古屋城の関係者の目に留まり、商品化の話が進んだ。
商品となったのは、このうち4点。城内の石垣の中で最大の石材「清正石」をかたどった「清正石くん」と、特徴的な刻印のある石がモチーフの「だんごくん」「ひょうたんくん」、もう1つは、もともと石垣に使われていたが庭石に転用された石を模した「芝石くん」だ。
清正石くんは幅28センチ、高さ13センチとやや大きめで、ほか3点は手のひらサイズ。それぞれの石の表情を捉え、素材を工夫した。ひょうたんくんは光沢のあるクラッシュベロア、芝石くんはフェルトといった具合に異なる生地を使った。
製作依頼を受けたモーヤーコの利用者たちは、森島さんとの打ち合わせや刺しゅうの練習などを繰り返し、昨年秋以降、まつりでの販売用に各20個を完成させた。女性(40)は「刺しゅうは最初、難しかったけど、だんだんと楽しくなった」と製作を振り返る。名古屋城総合事務所は、5月5日までのまつり以降も公式土産として販売を続けたい考えだ。販売価格は調整中という。
名古屋芸術大の学生たちによる名古屋城でのナゴヤ展は2018年度に始まり、これまで3回開催。城の本質的な価値をデザイン作品にして提案してきた。商品化につながったのは今回が初めてで、森島さんは「名古屋城の魅力探しの一助になればうれしい」と喜ぶ。学生たちを指導する遠藤一成准教授も「提案で終わらず、実際の形となって社会につながったことの意義は大きい」と話している。
(2021年2月24日 中日新聞朝刊市民版より)