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お知らせ  2021.01.19

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災害弱者対策の研究所 愛知県立大、4月開設

“まもるよ ちいさないのち!”地域災害弱者対策研究所の所長に就く清水宣明教授

“まもるよ ちいさないのち!”地域災害弱者対策研究所の所長に就く清水宣明教授

 南海トラフ地震などの大規模災害に備えるため、愛知県立大が4月、名古屋市守山区の同大守山キャンパス内に、災害弱者対策や支援に関する研究、教育などの拠点となる研究所を新たに設ける。

 研究所は「“まもるよ ちいさないのち!”地域災害弱者対策研究所」と命名する。所長は看護学部の清水宣明教授(61)=感染制御学、危機管理学、が務める。他のメンバーは看護学部や教育福祉学部の教授や准教授、講師の6人。県内の保育園や認知症対応型グループホームを対象とし、それぞれの災害弱者を守る方法論を確立し、実証する。

 東日本大震災では犠牲者の約95%以上が津波からの逃げ遅れが原因で、その約65%が60歳以上の高齢者だった。障害者の死亡率は健常者の2~4倍高かったとされる。大規模災害時に被災しやすい災害弱者を助けることができれば、人的被害を大幅に軽減できる。

 災害時にけがを負えば健常者も避難に時間がかかるようになる。「誰でも災害弱者になる可能性がある」と清水教授。災害弱者の視点に立った防災対策は多くの人に役立つとの考えに立ち、研究や教育などを進める方針だ。

 清水教授はこれまで保育園などを対象に災害対策や新型コロナウイルス感染症対策に取り組んできた。「研究をいかに地域のために使うかが大事。子どもは地域の宝なので、子どもを含む災害弱者をどう守るのか。専門組織として施設や地域と一緒にモデルを作り上げ、それを共有していきたい」と話している。(梅田歳晴)

(2021年1月19日 中日新聞朝刊30面より)

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