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学生活動  お知らせ  2020.05.23

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就活 自分たちから動く 東海の中小動画 学生が紹介 「空気感知りたい」 25日から

企業紹介動画を集めた特設サイトを立ち上げた(左から)三輪さん、久保さん、浦野さん、中村さん  =三重県四日市市のわくわくスイッチで

企業紹介動画を集めた特設サイトを立ち上げた(左から)三輪さん、久保さん、浦野さん、中村さん  =三重県四日市市のわくわくスイッチで

 三重県在住の大学生3人が、東海地方の中小企業から集めた自社の紹介動画を25日から特設サイトで一斉に公開する。3人は新型コロナウイルス感染症の拡大で、思い描いていた就職活動が難しくなった当事者たち。中小企業も採用活動に苦戦する中、学生と企業の出会いの場がなくなることに危機感を感じて動き始めた。 (須江政仁、写真も)

 「お勧めは朝の光を浴びること」「逆境に強い世代と言われるように乗り越えよう」。企業から集まった1分程度の動画には、社長や採用担当者の習慣の紹介のほか、学生へのエールの言葉が並ぶ。動画はぶれていたり、沈黙の時間があったり。大企業の採用動画に比べると洗練されているとは言い難いが、親近感は伝わる。

 キャリア教育に取り組む一般社団法人「わくわくスイッチ」(同県四日市市)のメンバーでプロジェクトの発起人、名城大3年の三輪久美子さん(20)=同県桑名市=は「大手就活サイトの情報はきれいすぎて雰囲気が伝わってこない。学生は将来一緒に働く人たちの人柄や企業の空気感が知りたい」と話す。

 春から夏にかけてのこの時期、本来なら来年に始まる就活に備えてセミナーやインターンシップ(就業体験)に参加する予定だった。だが、感染拡大で全て中止となり「友人に会って相談もできない。何から始めれば良いのか分からなくなった」。

 将来への漠然とした不安を抱える中、同団体代表の中村憲和さん(43)から、合同説明会ができずオンラインにも対応できない中小企業が採用活動に頭を悩ませていると聞いた。団体メンバーで、同じように就活の出ばなをくじかれた三重大3年の久保圭太郎さん(20)、同大3年の浦野未来さん(21)=いずれも津市=と、気軽に外出できない中でも学生と中小企業がつながれる方法を考えるようになった。

 5月の大型連休中に議論を重ねて、会員制交流サイト(SNS)で若者に人気のある短時間の動画を参考に、企業から約1分間の自社紹介動画を募集して特設サイトで公開をすることにした。短時間だからこそ、サイトを見れば分かるような企業情報よりも、コロナ禍で就活に悩む学生へのエールなど、社風や社員の人柄がうかがえる動画を求めている。
 これまでに三重や愛知、岐阜県の約30社が興味を示し、続々と動画が集まっている。3人の目標は100社の掲載といい、「思い描いていた就活は消えてしまっているが、当事者として、この機会をチャンスに変えるプロジェクトにしていきたい」と意気込んでいる。
 「わくわくスイッチ サンゼロ就活」で検索すれば、特設サイトにアクセスできる。企業側の動画掲載料は無料。問い合わせは、わくわくスイッチ=電059(340)6233=へ。

(2020年5月23日 中日新聞夕刊1面より)

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