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学生活動  2020.05.09

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外国人の子 学び場守る 休校期間にオンライン支援 愛知淑徳大生無償で先生役

ズームを使ったオンライン学習支援で、指導役の大学生や他の生徒らと話すミン君=愛知県西尾市の鶴城小で

ズームを使ったオンライン学習支援で、指導役の大学生や他の生徒らと話すミン君=愛知県西尾市の鶴城小で

 愛知淑徳大交流文化学部(名古屋市千種区)の学生らが12日から、愛知県西尾市の外国人児童生徒の学習支援をオンラインで始める。新型コロナウイルスの感染拡大で小中学校の休校が続く中、外国人の子どもたちは日本語習得が十分ではなく、自宅での学習が進んでいない恐れがあるため。学校再開時に円滑に授業を受けられるよう、学生らが手助けする。7日から参加者が接続テストを続けている。 (戸川祐馬)

 「学校の宿題はやったかな?」「やったー」。ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」の画面に映る大学生の一人が問い掛けると、昨年8月に来日したベトナム出身の小学3年、ミン君(9つ)が答えた。

 この日は、自己紹介や好きな菓子の話などをして約30分の会話を終えた。ミン君は「たくさん話せた。今度は漢字や好きな算数を教えてもらう」と声を弾ませた。

 西尾市の教育アドバイザーを務める愛知淑徳大の小島祥美(よしみ)教授(教育社会学)が、外国人の子どもの学びが止まらないようにと発案。同市が放課後などに開講している日本語学習教室「多文化ルームKIBOU」に持ちかけた。

 同教室のほかに、来日間もない子が日本語を学ぶために通う初期指導教室「カラフル」の受講者らに声をかけると、ブラジルやベトナム、中国、フィリピン、ネパール出身の小中学生約40人が興味を示した。

 12日からは子どもたちと学生らが、月曜日を除く毎日午前10時にZoomに接続。小島教授がその日に参加した顔触れを見て、子どもと学生らを少人数のグループに分けてアプリ内の別のルーム(画面)に誘導する。子どもと学生は通訳なしで45分間向き合う。休校が決まっている5月末まで続ける。

 小島教授のゼミ生や、仕事が急きょ休みになったゼミの卒業生ら計33人が無償のボランティアとして支える。毎日10人ほどが待機する。外国人の子どもたちが無償でオンラインによる学習支援を受ける取り組みは全国的にも珍しいという。

 カラフル室長の菊池寛子さん(48)は「学生が寄り添ってくれるので、子どもたちが気持ちに応えようとやる気になる」と喜ぶ。小島教授は「他地域や他大学にも取り組みが広がってほしい」と期待している。

(2020年5月9日 中日新聞夕刊7面より)

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