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イベント 2020.03.17
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染め型紙の技と美 名古屋造形大所蔵品 きょうから豊田で展示
名古屋造形大(小牧市)が所蔵する染め型紙のコレクションを紹介する展示「染型紙の技と美」が17日、豊田市平戸橋町の市民芸館で始まる。造形大には2万3000点余に上る国内最大級の所蔵品があるが、学内外でほとんど公開されていない。準備を進めてきた同窓会のメンバーは「緻密で奥深い染め型紙の魅力に触れてほしい」と呼び掛けている。5月24日まで。
染め型紙は着物生地などを染める際に用いる型紙で、伊勢型紙とも呼ばれる。柿渋で貼り合わせた和紙を彫刻刀で彫り抜き、柄や文様をこしらえる。展示では、同窓会員たちがえりすぐった、精緻な文様やかわいい柄の作品168点を紹介する。
4月11日からは、学生たちが染め型紙の意匠を取り込んで制作したポスター作品も展示。型染め手ぬぐいを使ったあずま袋作り(4月12日、5月2日)、染め型紙による藍染めハンカチ作り(4月18、19日)といったワークショップや講演会などが予定されている。ワークショップは有料、事前申込制。
造形大のコレクションは、名古屋市西区にあった石井染工所から1991年、2万3064点を一括寄贈された。制作されたのは、江戸期から昭和時代にかけて。同社の業容が着物染色からアパレルデザインへと変遷する中で、役目を終えて倉庫に眠っていた。
ほこりをかぶっていたこれらの型紙を、当時デザイン学科の教授だった鵜飼昭平名誉教授(91)らが13年かけてこつこつと分類整理。柄名などを記した台帳を作り、一枚一枚ケースに収め、学内の資料室に設けた専用の棚で保管してきた。
昨年夏、コレクションを調べた文化庁文化財調査官の生田ゆきさんは「これだけまとまった点数のコレクションを他に知らない。それも一つの染工所にあったということで、地域の当時の流行や歴史を知る資料にもなる」と評価。3年前に開学50年を迎え、意義のある事業を模索していた同窓会のメンバーが「大学の希少な財産」と認識を深め、実行委員会をつくって計画を練ってきた。
豊田市民芸館にとっても100回目を記念する企画展となる。同窓会長の片山光圓(こうえん)さん(72)は「希少なコレクションを知ってもらうとともに、文化資産として今後の活用につなげていきたい」と話している。(小島哲男)
(2020年3月17日 中日新聞朝刊県内総合版より)
染め型紙は着物生地などを染める際に用いる型紙で、伊勢型紙とも呼ばれる。柿渋で貼り合わせた和紙を彫刻刀で彫り抜き、柄や文様をこしらえる。展示では、同窓会員たちがえりすぐった、精緻な文様やかわいい柄の作品168点を紹介する。
4月11日からは、学生たちが染め型紙の意匠を取り込んで制作したポスター作品も展示。型染め手ぬぐいを使ったあずま袋作り(4月12日、5月2日)、染め型紙による藍染めハンカチ作り(4月18、19日)といったワークショップや講演会などが予定されている。ワークショップは有料、事前申込制。
造形大のコレクションは、名古屋市西区にあった石井染工所から1991年、2万3064点を一括寄贈された。制作されたのは、江戸期から昭和時代にかけて。同社の業容が着物染色からアパレルデザインへと変遷する中で、役目を終えて倉庫に眠っていた。
ほこりをかぶっていたこれらの型紙を、当時デザイン学科の教授だった鵜飼昭平名誉教授(91)らが13年かけてこつこつと分類整理。柄名などを記した台帳を作り、一枚一枚ケースに収め、学内の資料室に設けた専用の棚で保管してきた。
昨年夏、コレクションを調べた文化庁文化財調査官の生田ゆきさんは「これだけまとまった点数のコレクションを他に知らない。それも一つの染工所にあったということで、地域の当時の流行や歴史を知る資料にもなる」と評価。3年前に開学50年を迎え、意義のある事業を模索していた同窓会のメンバーが「大学の希少な財産」と認識を深め、実行委員会をつくって計画を練ってきた。
豊田市民芸館にとっても100回目を記念する企画展となる。同窓会長の片山光圓(こうえん)さん(72)は「希少なコレクションを知ってもらうとともに、文化資産として今後の活用につなげていきたい」と話している。(小島哲男)
(2020年3月17日 中日新聞朝刊県内総合版より)