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2010.04.01
10日開幕 東海大学サッカーリーグ注目は・・・優勝4度古豪復活・名商大 16年ぶり1部
■王者・浜松大といきなり激突!!
2010年度の東海大学サッカーリーグが10日、開幕する。今季は古豪・名古屋商大が16年ぶり1部復帰。1962年度の第1回大会をはじめ1部優勝4度を誇る名商大は、野村武監督(55)に率いられ復活。開幕戦(豊田市陸上競技場・午前11時キックオフ)で、前年度王者の浜松大に挑む。
■「紅白戦でGK足りない」どん底から…06年就任の野村監督が再建 自主性を尊重
愛知県内屈指の古豪が、16年ぶりに表舞台に帰ってきた。東海大学リーグ1部優勝4度を誇るも、近年は2部に低迷。そんなチームを再建したのが、06年に就任した野村監督だった。
「僕が来たときは、紅白戦をやってもGKがいないような状況。最初からすべて要求するのではなく、一つ一つルールを作っていった」
かつて愛知学院大の監督を7年間務め、MF吉村圭司(30)=現名古屋グランパス=らを指導した。その指導理念は「選手の長所を伸ばし、自由の中に厳しさを求める」。練習中も選手との対話を欠かさず、学生の自主性を尊重するチームづくりを進めた。新キャプテンのDF佐野(4年=東邦)は「監督は自分たちを大人として見てくれている。意見も聞いてくれる。おかげで、考える力がついた」と心身両面の成長を実感する。
■人工芝に改装
ハード面の整備も欠かせなかった。栗本宏学長のバックアップで、グラウンドを75ミリのロングパイル人工芝に改装。全国から強豪高校を招いて練習試合を行い、恵まれた環境をアピール。市立船橋(千葉)や野洲(滋賀)、滝川二(兵庫)など有名校からも選手が集まるようになった。昨シーズンは前期を6勝1分け2敗の3位で折り返し、後期を8勝1敗の快進撃。2位・静岡大に勝ち点8差をつける独走Vで、悲願の昇格切符を手に入れた。
■葛谷“岡崎級”
昨季16得点のエースFW秋満(4年=清水東)と、FW葛谷(2年=春日井工)のスピードあふれる2トップを敷く。県内でも無名だった葛谷は、野村監督が「最初は全然ノーマークだったが、日本代表の岡崎(清水)みたいな顔をして、本当に岡崎みたいなプレーをする」と驚く掘り出し物だ。さらにMF山田(3年=東邦)、DF佐野、GK納戸(3年=宇治山田商)のセンターラインが支える。
開幕戦では、前年度王者の浜松大に挑む。開幕セレモニーの直後に行われ、注目度の高い一戦。佐野主将は「自分たちが新しい歴史をつくれるのは楽しみ。見ていて応援したくなる、気持ちの入ったサッカーをしたい」と意気込んだ。新生・名商大が栄光に彩られた歴史に、新たな1ページを刻む。
(塚田陽一郎)
◆名古屋商科大 1953(昭和28)年開学。5学部8学科を擁するビジネス総合大学。手厚い学生指導で就職率も高い(96.8%)。サッカー部は第1回東海大学リーグをはじめ、1部優勝4回。今季より16年ぶり1部復帰。野球部も強豪で、元PL学園の中村順司監督が99年に就任し、08年に1部復帰。主なOBに大豊泰昭、音重鎮、平野謙(いずれも元中日ドラゴンズ)ら。
(2010年4月1日 中日スポーツ11面より)
2010年度の東海大学サッカーリーグが10日、開幕する。今季は古豪・名古屋商大が16年ぶり1部復帰。1962年度の第1回大会をはじめ1部優勝4度を誇る名商大は、野村武監督(55)に率いられ復活。開幕戦(豊田市陸上競技場・午前11時キックオフ)で、前年度王者の浜松大に挑む。
■「紅白戦でGK足りない」どん底から…06年就任の野村監督が再建 自主性を尊重
愛知県内屈指の古豪が、16年ぶりに表舞台に帰ってきた。東海大学リーグ1部優勝4度を誇るも、近年は2部に低迷。そんなチームを再建したのが、06年に就任した野村監督だった。
「僕が来たときは、紅白戦をやってもGKがいないような状況。最初からすべて要求するのではなく、一つ一つルールを作っていった」
かつて愛知学院大の監督を7年間務め、MF吉村圭司(30)=現名古屋グランパス=らを指導した。その指導理念は「選手の長所を伸ばし、自由の中に厳しさを求める」。練習中も選手との対話を欠かさず、学生の自主性を尊重するチームづくりを進めた。新キャプテンのDF佐野(4年=東邦)は「監督は自分たちを大人として見てくれている。意見も聞いてくれる。おかげで、考える力がついた」と心身両面の成長を実感する。
■人工芝に改装
ハード面の整備も欠かせなかった。栗本宏学長のバックアップで、グラウンドを75ミリのロングパイル人工芝に改装。全国から強豪高校を招いて練習試合を行い、恵まれた環境をアピール。市立船橋(千葉)や野洲(滋賀)、滝川二(兵庫)など有名校からも選手が集まるようになった。昨シーズンは前期を6勝1分け2敗の3位で折り返し、後期を8勝1敗の快進撃。2位・静岡大に勝ち点8差をつける独走Vで、悲願の昇格切符を手に入れた。
■葛谷“岡崎級”
昨季16得点のエースFW秋満(4年=清水東)と、FW葛谷(2年=春日井工)のスピードあふれる2トップを敷く。県内でも無名だった葛谷は、野村監督が「最初は全然ノーマークだったが、日本代表の岡崎(清水)みたいな顔をして、本当に岡崎みたいなプレーをする」と驚く掘り出し物だ。さらにMF山田(3年=東邦)、DF佐野、GK納戸(3年=宇治山田商)のセンターラインが支える。
開幕戦では、前年度王者の浜松大に挑む。開幕セレモニーの直後に行われ、注目度の高い一戦。佐野主将は「自分たちが新しい歴史をつくれるのは楽しみ。見ていて応援したくなる、気持ちの入ったサッカーをしたい」と意気込んだ。新生・名商大が栄光に彩られた歴史に、新たな1ページを刻む。
(塚田陽一郎)
◆名古屋商科大 1953(昭和28)年開学。5学部8学科を擁するビジネス総合大学。手厚い学生指導で就職率も高い(96.8%)。サッカー部は第1回東海大学リーグをはじめ、1部優勝4回。今季より16年ぶり1部復帰。野球部も強豪で、元PL学園の中村順司監督が99年に就任し、08年に1部復帰。主なOBに大豊泰昭、音重鎮、平野謙(いずれも元中日ドラゴンズ)ら。
(2010年4月1日 中日スポーツ11面より)