先制打を含む２安打と活躍し、笑顔で整列する中部大・丹下（右から２人目）＝パロマ瑞穂球場で（高畑章撮影）

　愛知大学野球春季リーグ第６週第１日は１１日、パロマ瑞穂球場で１回戦２試合が行われ、名城大と中部大が、ともに先勝した。勝って優勝に望みをつなぎたい中部大は、２回までに５点を挙げ、４投手の継投で６－２で愛院大を退けた。名城大は二宮衣沙貴投手（３年・享栄）が完投し、９－２で東海学園大に勝利した。

■丹下３番起用的中　鮮やか速攻！！

　鮮やかな攻撃で、中部大が主導権を握った。１回１死一塁、３番丹下大輝（３年）が、外角の直球を逆らわずに右中間へ運び、適時二塁打で先制。四球を挟み、中川涼成（３年）がフェンス直撃の２点二塁打で続いた。制球に苦しむ相手に、４安打を集めて一挙４点を奪った。首位を行く愛工大の優勝に待ったをかけた、第５週の勢いのまま畳み掛けた。先陣を切った丹下は「投手陣を助けるためには、先制点が必要だった。３番起用に応えられた」と喜んだ。

　打率リーグ１位（１１日時点）の打撃は、本人も驚く好調ぶりだ。５０メートル５秒８の走力が最大の武器で、昨季までは自他共に認める「代走と守備の人」。昨冬から８種類のティー打撃に取り組むなど、重点的に鍛えてきた。

　９番で開幕を迎え、既に４通りの打順を経験。「役割は変わらない」と右方向を心掛け、カウントに応じてバットを短く持つなど工夫している。「打って走れるくせ者と相手に印象づけたい」と意気込む中で、この日も適時打２本と貢献した。

　優勝争いは、試合のなかった愛工大が依然優位に立ち、割って入るには勝利で重圧をかけるほかない。堀田崇夫監督（４５）は「自分たちにできることをする」と見据える。次戦を連勝で飾り、最後まで食らい付くのみだ。

　（高畑章）

■名城大　二宮２失点完投

　名城大・二宮は制球に苦しみながら１３０球で２失点完投。今季４勝目を挙げたが「完封できた試合。ボール先行では駄目」と辛口だった。最大のピンチだった８回２死満塁を押し出し四球の１点でしのいだ。チームはいまだ勝ち点１と苦戦しており「『投げろ』と言われたところでいきたい」と先を見据えた。

▽１回戦
東海学園大　００１００００１０―２
名城大　００１１１１０５ｘ―９

愛院大　０１００１００００―２
中部大　４１０００００１ｘ―６

（2019年5月12日　中日スポーツ9面より）