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お知らせ  2018.11.27

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名城公園東 キャンパス街化が加速 名古屋造形大 移転に道筋 国有地取得 来年にも決定

 学校法人「同朋学園」が運営する名古屋造形大(愛知県小牧市)が、名古屋市北区の名城公園東側の国有地に移転する見通しとなった。公募で同朋学園のほかに国有地の取得を名乗り出た団体はなく、土地を管理する東海財務局も売却は妥当と判断。年内に開かれる有識者の審議会を経て、同大が来年にも正式に取得するとみられる。
 この国有地は国家公務員宿舎跡地約2万平方メートルで、地下に市営地下鉄名城公園駅がある。東海財務局が2〜5月、地方公共団体や社会福祉法人など公共性のある団体を優先して公募した。取得を希望したのは同朋学園だけで、東海財務局は同朋学園の計画の実現性やキャンパス移転の必要性などを審査。「売却は妥当」と判断したもようだ。

 政令指定都市にある2000平方メートル以上の国有地の売却は、大学教授などの有識者による審議会に諮り、認められる必要がある。関係者によると、12月上旬までに審議会が開かれ、答申を受けて事実上の売却先に決定。価格面など本格的な取得交渉に入る。同大が実際にキャンパスを移転するのは数年後になる見通し。

 名古屋造形大は日本画やアニメーションなど9コースからなる造形学部と、大学院造形研究科がある。学生数は11月現在で、計約830人。1967年に名古屋造形芸術短期大として開学し、90年に私立4年制「名古屋造形芸術大」として設置された。
 同大は都心部にキャンパスを移転することで、学生の利便性向上を図るとともに、大学の活性化や学生獲得につなげる狙いがある。


■大学生き残りへ都心回帰

 名古屋の中心部にあたる名城公園東側のエリアには、2014年に愛知学院大名城公園キャンパスが開設され、17年4月に商業施設の「tonarino(トナリノ)」、今年3月には「金シャチ横丁」が相次いで開業し、再開発が進む。

 名城公園キャンパスには経済、経営、商の3学部があり、学校法人愛知学院は、隣接する8000平方メートルの国有地も取得。20年に移転する法学部の学部棟などを建設する方針で、現在約2000人の学生数は5000人ほどに増える見込み。担当者は「地域や社会とつながることができ、実践教育の場としてもふさわしい」と評価する。

 大学の都心回帰について名古屋学院大現代社会学部の江口忍教授(都市戦略)は「大学にとっては生き残るための必須要件になっている」と話す。名城公園東側に関しては「もともと何のイメージもないブラックボックスのような場所だった。最近は観光客も集まり、ポジティブな印象に変わってきた」と分析する。(天田優里)

(2018年11月27日 中日新聞朝刊1面より)

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