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スポーツ  2018.11.14

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2年ぶり 大ケガから復活 大技披露 NHK杯・総合6位 中京大 山本草太

大けがを乗り越え男子総合6位に入った山本草太=広島県立総合体育館で(木戸佑撮影)

大けがを乗り越え男子総合6位に入った山本草太=広島県立総合体育館で(木戸佑撮影)

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦、NHK杯に出場した山本草太(18)=中京大=は、2年前の大けがの原因となったトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決めるなど男子総合6位に入った。初めてのGPシリーズに緊張しながらも「こうやって試合に出られることが幸せ」とトップ選手と戦える喜びをかみしめた。

■1年1年長かった

 遠回りはしたが、ようやくたどり着いた大舞台。ひときわ大きな声援で迎えられた。ショートプログラム(SP)の3番手。リンクに立つと両手を広げ、歓声に応えて演技に入った。冒頭のトリプルアクセルは2年前に着氷で右足首を骨折したジャンプ。昨季は封印していた大技を今も違和感が残る右足で着氷すると、会場は大歓声に包まれた。

 「たった2年ぐらいだったけど、1年1年が長く感じて。この道のりもちょっと遠かったなと思うんですけど、たどり着いて本当にうれしい」

 ジュニア時代は順調な成長曲線を描いていた。2015年3月の世界ジュニアでは15歳で3位。優勝した2つ上の宇野昌磨(20)=トヨタ自動車、中京大=とともに表彰台に上がった。優勝候補と言われた翌年の世界ジュニア直前に右足首を骨折。1年半も氷の上から離れている間に、ジュニア時代のライバルたちは次々と世界の舞台で脚光を浴びていった。

 3度の手術を経て、初めて出場したGPシリーズ。「何もプレッシャーがない選手」と自分に言い聞かせても緊張感に襲われた。SP翌日のフリーは冒頭のトリプルアクセルがシングルに。ジャンプができない時期に磨いたスピンではスケート靴のエッジで右手を切り、流血するアクシデントにも見舞われた。「何もプレッシャーのない中で緊張しちゃいました」と苦笑いを浮かべた。

■出場でき本当幸せ

 「この大舞台に立ちたいがため、必死に、少し焦ってしまった分、余計に遠回りしてしまった。だけどこうやって試合に出られることは本当に幸せ」。得点は合計213.40点。ジュニア時代にすでに200点超えしていた山本にとって満足できる数字ではない。それでも演技を終えた山本は笑顔だった。 (谷大平)

▼山本草太(やまもと・そうた) 2000(平成12)年1月10日生まれ、大阪府岸和田市出身の18歳。172センチ。6歳でスケートを始め、中学1年で鈴木明子らを育てた長久保裕コーチの指導を受けるため名古屋市に転居。邦和スポーツランドに所属し、東港中から進んだ愛知みずほ大瑞穂高1年の15年に全日本ジュニアで優勝。

(2018年11月14日 中日スポーツ7面より)

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