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お知らせ  2018.05.25

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水素ステーション用の触媒 中部大など5機関が開発

水素ステーションの模型を使って説明する桜井社長(右)と二宮教授(左)=県公館で

水素ステーションの模型を使って説明する桜井社長(右)と二宮教授(左)=県公館で

 中部大(春日井市)など産学官の5機関が、近未来型の燃料電池車(FCV)の燃料となる水素の製造に適した触媒の開発に成功した。県の地場産業であるセラミックス技術を生かし、従来の触媒の6倍の耐久性を実現した。2018年度中の実用化を目指す。

 県内に全国最多の5カ所が整備されている製造型水素ステーションでは、900度超の高温で天然ガスから水素を発生させる作用を起こすために多数の触媒が使われている。だが、FCVの普及台数はまだ少なく、発生装置の温度が安定しないため、従来の触媒では劣化しやすいのが課題だった。

 そこで、中部大とあいち産業科学技術総合センターの産業技術センター(刈谷市)、伊藤忠セラテックと山本匣鉢製造、マルワイ横井鉄工所(いずれも瀬戸市)は16年度、県の補助で産学官が共同研究に取り組む「知の拠点重点研究プロジェクト」を開始。酸化アルミニウム製のセラミックス粒体を核とした球状の触媒を開発した。

 24日に県公館で大村秀章知事に報告した中部大の二宮善彦教授は「発生装置の温度が不安定なのは黎明(れいめい)期ならではの問題。これを乗り越えることがFCVの普及につながる」と話した。伊藤忠セラテックの桜井聡社長は「地域内の中小企業と連携して実用化を目指したい」と語った。(谷悠己)

(2018年5月25日 中日新聞朝刊県内版より)

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