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お知らせ  2018.02.17

「動作法」普及へ ベトナムに拠点 愛院大・吉川教授

吉川教授

吉川教授

 ベトナムの障害児に心理学を応用したリハビリテーション「臨床動作法」を提供してきた愛知学院大心身科学部(日進市)の吉川吉美教授(66)が、同国中部のダナン市に動作法のセンターを作ることになった。国際協力機構(JICA)が協力する形で、同国各地への浸透を目指す。

 動作法は、臨床心理学者の成瀬悟策・九州大名誉教授が提唱した腰や背中など体の13カ所に優しくアプローチする手法。脳性まひで体を動かしにくい子や発達障害の子にリラックスしてもらい、自分の体に意識を向けてもらうことで、体を動かしやすくする。

 吉川教授がベトナムに初めて渡ったのは2008年。現地の特別支援学校で働く青年海外協力隊員から「子どもをたたいて指導する先生がいて、悩んでいる」というSOSが来たことがきっかけだった。学校に赴いた吉川教授が、子どもの様子を観察しながらそっと体に触れると、パニックを起こしていた子どもが落ち着いた。「ベトナムの教員は、信じられないという様子だった」と振り返る。

 効果があったことでダナン大の師範大に講師として招かれ、年に1、2回、大学関係者や教員、障害者の保護者向けに研修会を開くように。保護者からは「親子のコミュニケーションに役立つ」「息子は気持ちを表現できず荒れることがあったが、自分で行動できるまでになった」と喜ばれたという。

 このたびJICAのプロジェクトに採択され、予算が付くことになった。今後2年間でセンターを設置し、動作法のテキスト作成や現地の指導者育成を進める。吉川教授は「貧困が原因で学校に通っていない障害児もいる。そんな子どもや保護者にも動作法を知ってもらい、成長につなげてもらいたい」と話している。

(2018年2月17日 中日新聞朝刊知多版より)
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