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中日新聞掲載の大学記事

2009.12.18

ミニ人工衛星できた! 愛知工科大が機体製作

■来年5月打ち上げ 200日で金星最接近

 愛知工科大(蒲郡市)の奥山圭一准教授(46)の研究室が製作していた「深宇宙探査機」が完成し、17日、同大で公開された。来年5月に打ち上げ、宇宙空間でコンピューターの動作確認などの実験をする。奥山准教授は「大学が主体となった新たな宇宙探査の形」と成果を期待している。 (中山聡幸)

 深宇宙探査機UNITEC−1は、国内の大学、高専などでつくるNPO法人「大学宇宙工学コンソーシアム」が共同開発した。大型の人工衛星に“便乗”する「小型副衛星」で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の金星探査機に相乗りして、打ち上げられる。

■振動、温度差対策に工夫

 愛知工科大は、機体の設計製作を担当。一辺35センチの立方体で、重さ約20キロ。打ち上げ時の振動や宇宙空間での温度差に耐えられるよう、特殊なジュラルミンや炭素繊維強化プラスチックでできており、製造には蒲郡市の精密部品加工業・蒲郡製作所と川重岐阜エンジニアリング(岐阜県各務原市)が参加した。

 慶応大など6つの大学がそれぞれ自作のコンピューターを搭載。宇宙でどれだけ長期間、正常動作が続けられるかを競争するほか、撮影した画像や放射線の値を電波で地球に送信する。

 打ち上げから、約200日後には、金星に最接近。その後は、太陽を中心に周回する。探査機から発信される微弱な電波は、アマチュア無線でも受信できる。

 奥山准教授は「一般の無線愛好家の方も宇宙実験に参加してもらいたい」と話している。

(2009年12月18日 中日新聞朝刊県内版より)
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