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2009.12.04
名大 気力、体力、学力も…充実 6日、第71回東海学生駅伝
■メンバーが自己ベスト連発…「出雲駅伝」出場へ手ごたえ
第71回東海学生駅伝対校選手権大会(中日新聞社共催)は6日、愛知県武豊町の「武豊港開港100周年記念緑地公園」をスタート、同県半田市の半田運動公園陸上競技場をゴールとする知多半島1周の7区間64.5キロで行われる。愛知、岐阜、三重、静岡各県の24チームが参加、優勝校は来年の出雲全日本大学選抜駅伝の東海地区代表として推薦される。注目は11月の全日本大学駅伝(熱田神宮〜伊勢神宮)で東海地区最先着を果たした名大。05年には63年ぶり2度目の優勝を果たしたが、今回は4年ぶりの東海制覇を目指す。
5年ぶりに出場した全日本大学駅伝で、名大は一つの目標を達成した。東海地区でトップ。ライバル中京大を上回る18位の成績を残した。金尾洋治監督(52)は胸を張って言った。
「やればできるということです。中京大は空回りしたようだが、ウチは全員がきっちり力を出し切って走れた」
あくまで勉学が優先。全員が集まる練習は週3回のみ。その全体練習も授業のため遅れてくる者が多い。その他の練習は授業の合間や自宅など各自の練習に任されている。「練習量が他校より少ない。でもうちはしっかり食べて寝て勉強をするようにしている。だから故障が少ないんですよ」と金尾監督。
もう一つの特徴は、1、2年生の間は陸上選手としての成長期に当てていることだ。駅伝に伝統がある名大を志して入学してくる新入生は多いが、難関の国立大とあって受験勉強のため練習不足の状態なのが実情。そのため育成の目標は3年生以降に置かれている。金尾監督は「素質はあっても入学時は弱い。長いスパンでトレーニングをしているんです」と説明した。
■浜田は5000メートルで14分台マーク
そんな環境下で育成され、充実期を迎えているのが現メンバーだ。かつてはエースの1人だけが抜けて強いチームだったが「全体のレベルで見れば現在のメンバーが近年で一番強い」と金尾監督。最大の長所は誰一人としてブレーキとなる選手がおらず、試合で安定した走りを見せることだ。
調子自体も申し分ない。陸上競技部中長距離パートの部長も務める山本は力強くアピールした。「みんな11月に入ってから自己ベストを出しています。とくにいいのは藤永先輩と浜田ですよ」。山本はもっとも長い最終7区を任される予定だ。
その浜田は名大陸上競技部全体の主将。5000メートルで初めて14分台をマークしたばかりで声も弾む。
「今、本当に充実しています。来年の出雲全日本大学選抜駅伝に出場するには、ボクら3年生にとってラストチャンス。勝ちたいですね」
全日本大学駅伝で名大の後塵(こうじん)を拝した中京大はリベンジに燃えているだろう。愛工大も地力は確か。三つどもえの戦いになるのは間違いない。「全日本大学駅伝の出来には仕上げられる。いい勝負ができるはずですよ」と手応え十分の金尾監督。万全の態勢で全国切符を奪いにいく。 (八手亦和人)
(2009年12月4日 中日スポーツ8面より)
第71回東海学生駅伝対校選手権大会(中日新聞社共催)は6日、愛知県武豊町の「武豊港開港100周年記念緑地公園」をスタート、同県半田市の半田運動公園陸上競技場をゴールとする知多半島1周の7区間64.5キロで行われる。愛知、岐阜、三重、静岡各県の24チームが参加、優勝校は来年の出雲全日本大学選抜駅伝の東海地区代表として推薦される。注目は11月の全日本大学駅伝(熱田神宮〜伊勢神宮)で東海地区最先着を果たした名大。05年には63年ぶり2度目の優勝を果たしたが、今回は4年ぶりの東海制覇を目指す。
5年ぶりに出場した全日本大学駅伝で、名大は一つの目標を達成した。東海地区でトップ。ライバル中京大を上回る18位の成績を残した。金尾洋治監督(52)は胸を張って言った。
「やればできるということです。中京大は空回りしたようだが、ウチは全員がきっちり力を出し切って走れた」
あくまで勉学が優先。全員が集まる練習は週3回のみ。その全体練習も授業のため遅れてくる者が多い。その他の練習は授業の合間や自宅など各自の練習に任されている。「練習量が他校より少ない。でもうちはしっかり食べて寝て勉強をするようにしている。だから故障が少ないんですよ」と金尾監督。
もう一つの特徴は、1、2年生の間は陸上選手としての成長期に当てていることだ。駅伝に伝統がある名大を志して入学してくる新入生は多いが、難関の国立大とあって受験勉強のため練習不足の状態なのが実情。そのため育成の目標は3年生以降に置かれている。金尾監督は「素質はあっても入学時は弱い。長いスパンでトレーニングをしているんです」と説明した。
■浜田は5000メートルで14分台マーク
そんな環境下で育成され、充実期を迎えているのが現メンバーだ。かつてはエースの1人だけが抜けて強いチームだったが「全体のレベルで見れば現在のメンバーが近年で一番強い」と金尾監督。最大の長所は誰一人としてブレーキとなる選手がおらず、試合で安定した走りを見せることだ。
調子自体も申し分ない。陸上競技部中長距離パートの部長も務める山本は力強くアピールした。「みんな11月に入ってから自己ベストを出しています。とくにいいのは藤永先輩と浜田ですよ」。山本はもっとも長い最終7区を任される予定だ。
その浜田は名大陸上競技部全体の主将。5000メートルで初めて14分台をマークしたばかりで声も弾む。
「今、本当に充実しています。来年の出雲全日本大学選抜駅伝に出場するには、ボクら3年生にとってラストチャンス。勝ちたいですね」
全日本大学駅伝で名大の後塵(こうじん)を拝した中京大はリベンジに燃えているだろう。愛工大も地力は確か。三つどもえの戦いになるのは間違いない。「全日本大学駅伝の出来には仕上げられる。いい勝負ができるはずですよ」と手応え十分の金尾監督。万全の態勢で全国切符を奪いにいく。 (八手亦和人)
(2009年12月4日 中日スポーツ8面より)