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2017.11.26

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和紙腕時計 学生ベンチャー挑む 大須 修理会社とコラボし開店

 時計修理の「ジェムウォッチ」を運営するツーネット(本部・清須市)が、県立芸術大(長久手市)の学生がつくるベンチャー企業と協業し、25日に中区大須に時計バンド専門店をオープンした。ベンチャーが商品化を目指す和紙を使った腕時計の試験販売も手掛ける。 (石井宏樹)

 「ジェムウォッチ大須店」は第2アメ横ビル(中区大須3)の1階に店を構える。時計修理に加え、時計バンドを約2000本そろえる専門店。学生ベンチャーの「カチノデ」が店舗デザインと、店舗の一部を借り受けて和紙時計の試験販売をする。

 カチノデは県立芸術大でデザインを学ぶ3年の森一浩さん(21)=中村区=が名古屋大発のベンチャー企業の出資を受けて昨年12月に設立。これまで企業ロゴや事務所のデザインを手掛けてきた。

 現在はベルトや文字盤に和紙を使った「和紙時計」の商品化を目指している。日本ならではの和紙を特殊加工して使い、汗や雨でぬれても破れないようにした。和紙特有の風合いと、軽くて通気性が良いのが特長だ。バンドや文字盤の色を変えて6種類を用意している。

 商品化に向けて、実店舗での反応を探ろうとしていたところ、証券会社からジェムウォッチを紹介され、協業が実現。お客さんと話しながら、バンドや時計を試験的に受注生産する計画。バンドのみなら5000円程度、腕時計なら1万円程度の予定で、来春に本格量産を目指す。

 カチノデのデザイナーで同大2年の堀直也さん(21)=岐阜市=が、若者の感性を取り入れた店舗デザインも手掛けた。正方形のパネルに時計の部品や修理の様子の写真を焼き付け、市松模様のように組み合わせた。奥に行くにつれてパネルの大きさを小さくし、店が広く見えるようにした。

 ツーネットの瀬口良人社長(69)は「街の時計店が苦戦する中、若い感性で次世代につながる店にしたい」と期待。森さんは「欲しいと思ってもらえる時計のデザインを目指してきた。実店舗でお客さんの声を聞きながら改良していきたい」と話している。

(2017年11月26日 中日新聞朝刊市民版より)

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