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中日新聞掲載の大学記事

2009.11.24

名城大 甲子園ボウル王手 全日本大学アメフット 西日本準決勝

■愛媛大に44―0圧勝

 全日本大学アメリカンフットボール選手権第4日は23日、三重県四日市市の四日市ドームで西日本準決勝を行い、名城大(東海)が44−0で愛媛大(中国・四国)を下した。名城大は決勝の「甲子園ボウル」出場を懸けて、29日の西日本代表決定戦で関大(関西)と対戦する。名城大は東邦高(愛知)時代にセンバツ高校野球大会に出場したことのある“元甲子園球児”RB酒井健雄(4年)のTDランなどで序盤から着実に得点を重ね、守備陣が無得点に封じた。

■29日・関大戦

 完勝にも名城大の選手たちに笑顔はなかった。「ここで勝って喜んでも…。目標は日本一。あくまで通過点ですから」と鈴木主将。甲子園ボウル出場に王手をかけても、槇野均監督(56)も「まだこれから」と気を引き締めた。

 この日の準決勝は、愛媛大との実力差は、はっきりしていた。開始2分すぎにエースのRB酒井が71ヤードを独走してTD。続くディフェンスで、相手がファンブルしたボールを拾った吉川がそのままTDを決め、一気に突き放した。

 ディフェンス陣は第3Q終了間際にも、太田がパスをインターセプトして逆襲のTDを奪う充実ぶり。1年生3人、2年生4人を途中出場させ、経験を積ませる余裕も見せた。

 それでも、関大との決勝を見据えるからこそ、選手たちからは不満が口を突いた。「ミスが多くて関大相手に使いたいプレーを試すことができなかった」とQBの古川。鈴木主将も「相手に大きく前進される場面もあったので反省したい」と話した。

 名城大にとって、打倒関西勢は宿願でもある。今年、今大会が創設されるまでは東海リーグのチームは関西リーグの2部扱い。槇野監督は「関西1部は練習試合もしてくれなかった」と振り返る。

 昨季は東海リーグを制し、関西2部優勝校との入れ替え戦決定戦も勝ち上がったが、同1部との入れ替え戦で近大に敗れた。

 関大は今季の関西を制したとはいえ、昨季はリーグ5位。十分に勝機はあるはずだ。「ビデオを見ているが、当たり負けはしない。前半、失点を抑えて後半勝負に持ち込みたい。山は高いけど、登ってみたい」と槇野監督は意気込んだ。一方、鈴木主将は「強いが、手が届かない相手ではない。競り勝つのではなく、圧倒したい」と自信を見せた。 (高橋雅人)

■“元甲子園球児”酒井70ヤード独走2TD

 名城大のエース・酒井が4TDを奪った14日の1回戦に続き、持ち味を発揮した。いずれも70ヤード超を独走して2TDを奪った上、24ヤードのFGも決めた。東邦高時代に甲子園に出場した元高校球児。関大との西日本代表決定戦に勝てば異種競技で甲子園の舞台に戻ることができる。「(決勝は)何としてもTDを取って流れを引き寄せたい」と酒井は活躍を誓った。

(2009年11月24日 中日スポーツ9面より)
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