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中日新聞掲載の大学記事

2017.08.29

より良い図書館を考える 移転計画受け 亀山に市民団体 市側への要望も検討

 亀山市が市立図書館をJR亀山駅前の再開発ビル内に移転する計画を示したことを受け、図書館の適切なあり方を考える市民団体「より良い図書館をめざす会」が26日、発足した。図書館の整備内容や立地環境について意見を交わしながら、市への要望も視野に、市民にふさわしい図書館づくりを考えていく。(鈴木里奈)

 会には市民ら45人が参加。初めに、椙山女学園大文化情報学部の山本昭和教授が講演した。山本教授は全国にある同規模の自治体の図書館と比べ、亀山市の図書館は床面積も少なく、自由に閲覧できる開架数も少ないことを解説。正規職員の司書が一人もいないことを指摘し、「専門職の館長を置くべきだ」と提案した。滋賀県野洲市の図書館では、高校生向けのワークショップを開いていることも紹介した。

 参加者からは「(野洲市の)ワークショップはどこが主催で開いているのか」「ハコだけ用意しても、職員もトップレベルでないと、図書館は良くならない」など質問や意見が相次いだ。

 講演後、「より良い図書館をめざす会」を設立。会の代表に選ばれた中嶋千絵さん(68)=亀山市みどり町=は「本屋が減っていく中、図書館の役割は重要になる。質の高い図書館をつくるべきだ」とあいさつした。

 市民らが図書館に求めることについての意見交換もあり、移転先について「駅前なら高校生が学校帰りに勉強できる」とメリットを挙げる声のほか、「移転まで今の図書館でできることはないか」などの意見もあった。

 席上、山本教授は「公民館などとの複合施設にしたり、面積を広くしてゆったりと椅子や机を置き、カフェなどを併設したりするのが流行」と解説した。会は今後も定期的に会合を開き、より良い図書館を追究して、必要に応じて市側に要望することも検討する。

(2017年8月29日 中日新聞朝刊鈴鹿・亀山版より)
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